一瞬即発の狂愛(SS)

「·····あ゛ーっ、もう!!四肢欠損にでもされた気分だわ!!」


とろみは自分の体であるスライム体を殆ど爆豪の爆破で散らされ、僅かになった体でそう呟く。
·····その体には手足はなく、胴体だけで芋虫のようになってしまっており、横たわるだけで動くことが出来なくなっていた。


「ちょっと勝己!いくらなんでも酷いんじゃないの!?いきなり爆破であたしの体を·····しかも手足を散らすなんて!!」

「·····」


しかし爆豪は全く答えず、ただ黙って地面に横たわるとろみを睨むだけだった。
その様子を不気味に思いながらも、とろみはいつものように爆豪に文句を言う。


「ねぇ、ちょっと·····ホントに動けないんだけど·····!?」

「うるせェよ」


そう言うと、爆豪は動けないとろみの脇を抱えて抱き上げる。
驚いたとろみは爆豪の顔を見るが、爆豪はなんでもないような顔でこう言った。


「お前の個性がスライムで良かったな、手足吹っ飛ばしても痛い思いしなくて済んだろ?」

「えっ?」

「·····俺以外の男のところに行くなら、お前の手足なんざいらねェだろうが?」


その言葉を聞いた瞬間、とろみの顔から血の気が引く。


「か·····勝己?それって·····じ、冗談·····よね?」

「冗談だと思ってンのか」


そう言うと、爆豪はとろみをぎゅっと強く抱きしめた。
そして顔を近づけると、優しく唇を重ねる。


「なぁ、俺がどれだけとろみを愛してんのか知らねぇだろ」

「·····かつ、き?」

「お前が他のクソ野郎と会ってるだけで腸煮えくり返んだよ。だから、俺は決めたんだ」


爆豪はとろみの耳元に口を寄せると、低い声で囁いた。


「この先一生、誰にも渡さねェ」

「ひっ·····!」

「お前はずっと·····俺だけのモンだ」


その声音はまるで悪魔のようで、思わず小さく悲鳴を上げるとろみ。
爆豪はそれにはお構いなしに、抱きしめたとろみの首元に頬を寄せて、そっと頬ずりをした。


「お前もそうだろ?なぁ·····とろみ」

「っ·····」

「お前は俺だけ見てればいい。他の男なんざ見る必要もねぇし、考えることも許さねぇ」



·····あぁ、どこで狂ってしまったんだろう。



そんなことを考えながら、とろみは静かに目を閉じた。






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ヤンデレかっちゃんもありよりのありだよね!!!

20220114

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