ブラッディ・メアリに口づけを(SS)

「·····ヒミコ、俺の血はそんなに美味いのか?」

「ん、美味しいです」


どう見ても美味しそうに見えないそれをガラスコップからゆっくり喉に通すトガの様子を見て、
想は嬉しいような、困ったような、そんな複雑な笑みを浮かべた。


「·····ぷはっ!ごちそうさまでした!」

「おいおい、口に俺の血つけたまんまだぞ·····飲むなら最後まで飲んでくれよ」


口の周りに血をつけたままのトガの唇を想が指で拭ってやると、トガはその指すらもぱくっと咥えてしまう。
·····ちゅう、と小さく聞こえる音に、トガの目はとろんと揺らいだ。



·····ああ、俺の彼女はなんて猟奇的で·····そして官能的なのだろうか!



「ん·····想さん·····すき、です·····」

「今日のヒミコは大胆で可愛いなぁ·····俺の血で酔っちまったのか?」


顔をとろんと溶かして自分によりかかるトガを抱きしめ、想はトガごと後ろのベッドに倒れ込む。


「·····私、今日は想さんに酔ってます」

「おっ·····嬉しい事言ってくれるじゃん?」

「だから、たくさん、たぁくさん·····かわいがって、ください」

「·····ん、分かった。十分に可愛がってやるから覚悟しとけよ」


そう言ってちゅっと重ねた唇に、血の香りがふわりと匂った。
女性らしく柔らかなトガの手に想の手を添えれば、トガはぎゅっ、と想の手を強く握る。


「·····ん、ちゅ·····ぷぁ」

「ヒミコ·····息、ちゃんと吸えよ」

「ふぁい·····」

「(あー無理、可愛すぎんだろ·····今日はヒミコを寝かせられねえだろうなぁ)」


そんな頭の中で考えながら、想はトガの制服にゆっくりと手を伸ばした。




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トガちゃんのキャラがいまいちつかめない。
敬語だけど甘えてるよ!

20170706
加筆修正・20220316

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