あたたかないちにち
「PiPi〜!」
「Yelp?」
今日もロディの相棒である小鳥のピノと、フォクシーの相棒である狐のハニーは仲良く一緒に過ごしていた。
いつも歩くのも寝るのも一緒な、種族もサイズも違う2匹だが·····お互いに仲良しでとても可愛らしい。
「Pi!」
「Yelp!」
·····そんな2匹が今いる場所は、ロディのトレーラーハウスの外。
洗濯物を干すフォクシーや、外で遊ぶロロとララを見ながら勉強するロディを見つつ、2匹は寄り添って日向ぼっこをしていた。
「PiPi〜」
ハニーの毛並みに埋もれているピノを、ハニーはぺろぺろと舌で優しく舐めて毛繕いする。
そのうちピノはお返しと言わんばかりに、嘴でちくちくとハニーの毛並みを整え始めた。
「·····Pi!PiPi!」
「Yelp」
2匹の会話の内容は分からないが、お互い楽しそうにしている様子だ。
そして暫くすると、それを横目で見ていたロディは大きく欠伸をしながら伸びをして勉強をやめる。
「んぁ〜〜っ·····今日はこの辺にしとくか·····」
「お疲れ様、ロディ。そろそろお昼ご飯にする?」
「そうすっかな。なぁフォクシー、今日のメニューは?」
「ん〜·····ふわっふわのオムライス、なんてどう?」
フォクシーが楽しそうにそう言うと、近くで遊んでいたロロとララも反応する。
「オムライス!?」
「やったー!!」
「·····ふふっ、じゃあ私のお手伝いをしてくれるのは誰かな〜?」
「「はーい!」」
元気よく返事をしたロロとララは、早速トレーラーハウスに戻ってキッチンに向かっていく。
それを微笑ましく見ながら、フォクシーもトレーラーハウスに戻ろうとすると、ロディがフォクシーを後ろから抱きしめた。
「·····きゃっ!?ちょ、ちょっとロディ!?」
「ごめんフォクシー、少しだけこのままで居させてくれないか?」
突然の行動に驚きながらも、耳元で囁かれた甘い声色の言葉に、フォクシーは思わずドキッとする。
「うぅ·····ずるいわよぉ·····」
恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして俯くフォクシーだったが、やがて観念したように小さくため息をつくと、ゆっくりと体の向きを変えてロディと向かい合う形になる。
「全くもう……仕方ないひとね」
そう言いつつも頬をほんのりピンク色にして嬉しそうな表情をするフォクシーを見て、ロディは彼女の頬に手を添えて自分の方に向かせ、優しくキスをした。
ちゅっと音を立てて唇を離すと、ロディは再びフォクシーを強く抱き締める。
「ありがとうフォクシー、愛してるぜ」
「·····私もよ、ロディ」
お互いの体温を感じながら笑い合い、再び唇を重ねようとした時だった。
「兄ちゃん、姉ちゃーん!早く手伝ってぇ〜」
「はやくはやくぅ〜!」
外から聞こえてきた弟妹達の呼び声に、2人は慌てて離れると顔を合わせて苦笑する。
「仕方ねぇ、行くか」
「そうね」
そのまま手を繋いで歩き出した2人の手は、お互いの指がしっかりと絡まり合っていた。
·····その後、昼食を食べ終えたロロとララはお腹いっぱいになった事で眠くなり、ソファの上でぐっすり眠り込んでしまった。
その様子に呆れつつ笑うロディとフォクシーだっだが、すぐに優しい笑顔を浮かべる。
「(·····これからもこの幸せが続くよう、俺は頑張らなくちゃいけないんだ)」
改めてそう思ったロディは、隣にいる最愛の人に寄り添いながら目を瞑り、静かに夢の世界へと旅立っていった。
――――――――――
ピノとフォクシーは現実だと鳥とキツネだから被捕食者と捕食者の関係になってしまうんだが
それでもラブラブにしちゃう。個性だから大丈夫だよきっと。
20220316
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