Kiss me!
(雅と一緒にいるのが好きだ)
紅葉はぼんやりと自分の隣に座る原田を見て、ふと思った。ベッドの下、ベッドにより掛かるようにして隣り合って座って本を読む原田はふと視線に気づいたのか紅葉を見て、そしてそのままキスをした。
「えっ?」
「違ったのか?」
しれっとそう返されてしまっては紅葉は何も言えず、ぴとりと原田に寄り添った。ふたりとも既に寝るためのラフな服装になっていて薄い布一枚で密着するとどうしても、意識してしまう。紅葉はなんとなく高まっていく心臓の音を感じながら、伝わってないかな、と思いつつも原田により密着するように擦り寄った。
「……紅葉、今日はしねぇんだろ」
少し咎めるような声が降ってくる。うん、と頷くとじゃあ、と原田の腕が少しだけ紅葉を遠ざけようとするが、紅葉は離れようとはしなかった。体に腕を回しても届かないのを知っているからか近くで服を握るだけだ。顔はあげず、ぎゅう、と抱きついたままだ。
「紅葉」
離れようとしない恋人の名前を呼ぶと、ふと顔を上げた。
「……だめ?」
「……ったく」
紅葉の両脇に手を入れて軽く持ち上げるとベッドの上に座らせた。ベッドの前で原田は膝立ちすると紅葉と額をあわせて見つめ合う。
「雅、ちゅーしたい」
「……おう」
紅葉の小さな唇を食むように原田の唇が重なる。吸い付くように唇を吸って、舌で開けるようにと促すと紅葉は唇を開いて原田の舌を受け入れた。ん、はぁ、ととぎれとぎれに溢れる吐息を感じながら原田はそっと紅葉のTシャツに手をかけた。ゆっくりとめくり上げるように肌をなぞっていく。
「は…っ、あ、まさ、胸、やだぁ……」
「小さいから、か」
失言だったか、紅葉はげし、と足で原田の脇腹を蹴る。笑いながら紅葉からTシャツを脱がせてゆっくりとベッドの上に押し倒すと原田もTシャツを脱いでベッドの下に投げ捨てた。気にしてるのに、と顔を赤くして蹴ってくる足を押さえると、びくと紅葉の表情が揺らいだ。
「いいだろ、俺は気にしてねぇよ」
「〜っ、ん、やっ」
脇からつかむようにあまり大きくはない胸に手をかけると紅葉は顔を赤くした。
「ひぅ……ん、はぁ、あっ」
胸の頂きを舌でぐり、と押しつぶすとびくりと震えた。周りを舐めたり、硬さを持ってきたそれの先端を開くように舌を差し込む。足に力が入る。ぢゅ、と強く吸い付くと紅葉はいやいやと首を横に振る。顔は赤く、瞳はうっすらと涙が張っているのかぼやけている。
「あっ、まさ、まさぁっ、もお、胸、いやぁっ」
「気持ちよくないか?」
「きもち、い、けど……胸、ばっかり……っ」
首を振って顔を隠すようにして原田のベッドのシーツを掴んで引き寄せた。ベッドの端に膝をかけて、覆いかぶさるように紅葉の頬にキスした。おそるおそる顔をあげて、紅葉はん、と唇を前に突き出してきた。キスしてほしい、とねだっているのだろう。はいはいと愉快げに笑いながら原田は紅葉にキスをする。
「んっ、ふ……んぅ……ん、んんっ、ふぁ………あ、ま、さ……んっ」
紅葉を押しつぶさないようにベッドに腕を置く。離れると紅葉が名残惜しそうに原田を見上げている。その唇からは唾液が溢れて伝っていく。原田は親指でその唾液を拭ってやる。すると、親指にちゅうと吸い付いてくる。
「……も、しない、の?」
「胸、やだって言ったやつが何言ってんだよ……」
「あっ、ん、」
鎖骨に吸い付くと紅葉は少し身悶えする。そんな紅葉の様子を見ながら、手だけはショートパンツの中に入れた。ひゃ、と驚いたような声を上げて足が閉じそうになるのを間に体を入れて阻止する。脱がすぞ、と宣言して下着ごとショートパンツを下ろすと紅葉からデリカシーない、と足で攻撃されるが原田は意に介さず紅葉の腹あたりにキスをする。
「……〜っ、雅、あ、」
指で割れ目をなぞると紅葉が少しだけびく、と震えて目を硬く閉じた。指で秘部を開いてわずか上にある突起に触れると紅葉は目を見開いて、声を上げた。
「あっ、それ、それぇっ!! あ、あっ、いや、ああああっ」
ぐり、と二本の指で挟み込むように刺激すると紅葉の足に強く力が入り、突っ張る。いや、と顔を隠しながら声をこらえようとシーツを噛んだ。蜜の奥から溢れてきてより滑りが良くなっていく。原田はその紅葉の様子を見ながら下腹部に熱が溜まっていく感覚を感じた。はぁ、と熱のこもった息をこぼし、自分が動いているわけでもないのにじっとりと汗が肌を濡らしていくような気がする。触れている紅葉が熱いからか、それとも自分もひどく熱くなっているのか。
「んっ、んんっ、ふぅ、んん〜〜〜〜っ、は、っ、んっ、あ、や、やだぁ……やめ、も、い、く、から、もうやだぁ……っ」
それはやだぁと、泣きながら原田に訴えてくるが原田は紅葉を見下ろしたまま指は動かし続ける。口では嫌だとは言っているが、腰は原田に擦り寄るようにくねっている。もっと、とねだっているような行動ととろとろと濡れている秘部は素直だった。
「ひっ、はっ、はぁ……はっ、あ、あっ、んっ、あ、っああ〜〜っ!!」
ひときわ強い力が全身に入ったかと思えば嬌声と共にゆっくりと紅葉の体が脱力する。はっ、と浅い呼吸を繰り返し少し呆然としたようにしている紅葉を見下ろしながら原田は紅葉の腰を抑えるように片手を添えるともう片方の手で指を一本、秘部の中に押し込んだ。
「っ〜〜〜〜!!」
達したばかりの体には随分と刺激が強かったのか、唸るような声が目を見開いた紅葉から声が上がる。指一本でもひどくきつく感じる中に原田は顔をしかめた。いつものことながらゆっくりとほぐしていかなくてはならないようだ。できるだけ互いに痛い思いはしたくない、というのが初めて行為をした時からの了解だ。
(……熱ぃ)
気温がではない。原田の指にねっとりとまとわりつく膣の感触は、これの中に自身を入れればどれほど心地いいのだろうという連想をさせる。それは自身の中央に熱を集め、痛いほど立ち上がるのを感じさせた。喉を晒して喘ぐ紅葉を見ていると自然と喉が上下して、堪えられなさそうになる。
「ひっ、あ、雅っ、まさぁっ、また、いく、いっちゃう、からっ、抜いてっ」
「抜くか?」
「〜っ!! あっ、あっ、ぬく、の、やだぁ……っ」
「……どっちだよ」
原田は困ったように眉をひそめると、指は抜いた。あ、と名残惜しそうに顔を上げた紅葉の頭を撫でたあと、原田はズボンを下ろして自身を取り出した。少しなだめるように裏筋をなぞって、ふぅと息を吐き出した。
「……っ、いつ見ても、凶悪…………」
「うるせぇ。ちょっと待ってろ」
ベッド近くに隠してあるコンドームを取り出すと慣れた手つきで自身につける。ぼんやりとした様子でそれを眺めていた紅葉ははぁ、と息をついた。これからあれが自分の中に入るのか、と思うと心臓が高鳴る。最初は痛かった記憶があるが、今はとても気持ちいいことだと知っている。ごく、と生唾を飲み込んで、じと原田を見ると目があった。
「雅、ね、ちゅー」
「好きだな、キス」
「好き……」
両手を広げて原田を受け入れる紅葉に顔を近づけてまたキスをする。何度もキスをねだってくる紅葉は正直かわいいと思う。ちゅう、と紅葉から原田の唇に吸い付いてくる。ゆっくりと足を開かせるように持ち上げると紅葉の目に期待と不安が入り混じった目をする。大丈夫だ、と額を少し合わせると、うん、と紅葉が柔らかく笑って頷いた。
「……挿れるぞ」
「……ん、………あ、っ、ああっ」
ゆっくりと紅葉の秘部に挿入していくが膣内はきつく、熱い。まだまだ先端しか入っていないがきつく締め付けてくる秘部に原田ははっ、と息をつき、汗が伝っていく感覚に顔をしかめた。
(……きっちぃ)
ゆっくりとゆっくりと腰を進め、紅葉に負担のないようにと心がけては居るが、ゆっくりのままでは奥まで入らない気がしてきた。少し強引だが一気に奥まで入れようかと思い至って紅葉を窺い見る。痛みはなさそうだが、原田のそれを受け入れようとこらえてくれているのかもしれない。目を硬く閉じている紅葉のまぶたにキスをすると、紅葉はゆっくりと目を開けた。
「……紅葉、少し苦しいかもしれんがいいか?」
「……ん、我慢する」
「悪ぃ」
ぐい、と足を持ち上げて、肩にかけると開いた手で紅葉の腰を掴み、一気に奥まで挿入した。紅葉は殴られるかのような奥への一突きに目の前がチカチカして声すら挙げられないほどの快楽に歯を食いしばった。この感覚は何度経験しても慣れられず、自分が自分のものではなくなってしまう気がして紅葉は怖かった。それでも原田にされていると思えば、心地いいそれにようやく嬌声を上げられるほど、呼吸が落ち着いてきた。
「あ、ああっ、ま、さぁ……っ、まさ、すきぃ……」
「お前、ここで煽るなよ……っ」
止まらなくなっても知らねえぞ、と予告して紅葉の上に覆いかぶさる。奥をえぐるように腰を動かすと紅葉は嬌声を高く挙げて、背中をのけぞる。その背中に手を差し込み、抱えるようにしてがつがつと紅葉を犯す。耳元で聞こえる紅葉の声が余計に原田の快楽を高めてるような気がした。
「あっ、ひあっ、あ、っあ、ま、さ、まさっ、あ、も、いっちゃう、イく、っ!! あ、ああ、ああああっ!!!」
「はっ、紅葉……紅葉、ん、好きだ、紅葉」
「ひっう、あっあーーーっ、う、んくぅっ! あ、あ、あああっ、あっ、ん、あ、ああ」
「って……聞こえてねぇか」
喘ぎ声しか聞こえない紅葉の唇を塞ぐようにキスをする。すると膣の奥が更に柔らかく原田のそれを包み込み原田は顔をしかめた。たまらなく心地よく、一気に吐精感が高まって来て紅葉の膣の奥にグリグリと先端を押し付けた。紅葉の足が原田の腰に絡みついてきて力がはいる。原田は紅葉を強く抱きしめるときつく締まる紅葉の中に入れたまま射精した。
「……んぅ、はっ、まさ、」
「……悪い、もうちょっと付き合ってくれ」
一度引き抜かれたそれからコンドームを外してゴミ箱に投げ入れると、原田はもう一つコンドームを取って口で咥えて開けた。片手は紅葉の手を握っている。紅葉はうっすらと微笑みながら、原田の手を握り返すと、うんと頷く。
「へへ〜」
時計を見ればすでに深夜になろうとしていた。既に部屋に明かりは落としているが、紅葉はまだ目が冴えているのか裸のまま原田に擦り寄って甘えていた。原田の腕を枕にして横になっている紅葉を眺めながら、原田は紅葉に足をかけている。
「満足した?」
「そりゃ、な」
原田の首に腕を回して、よかった、とキスする紅葉を抱きしめ直す。
「そろそろ寝るぞ」
「んっ」
おやすみ、と言い合って目を瞑ると紅葉を抱きしめる原田の腕に僅かに力が入った。