来る年も行く年も貴方と共に
「色々あった年だったね」
佐登は書類をまとめている手を止めて、鴎外へ振り向く。
「そうですね。誘拐されたり、殴られたり、退屈しない日々でしたよ」
「あれ、軽く嫌味を言われてる? こう、もっと日常的な色々あった年っていう意味だったのだよ!?」
佐登はくすりと笑う。
こんな年末まで仕事をしていることになるなんて、思いもしなかったわけだがまあポートマフィアに年末年始は関係ないのだろうが。暮は最後の書類をまとめて、机で叩いて揃える。
「いつの間にか、年が明けてしまいましたね」
「そうだねぇ。んーー……明日から、また忙しくなるしねぇ」
「首領の勤めです。……軽く何か召し上がりますか? 雑煮など作ってあるのですが」
佐登が書類を戻して、そういうと鴎外が目を見開いて、しばしして笑った。
「うん、そうしようかな」
「それでは、用意してまいりますね」
佐登はジャケットを脱いで、ソファに掛けると給湯室の方へと向かっていった。鴎外はその背を眺めた後、椅子から立ち上がって昏い街へ視線を落とした。