「……っ、わ、若ちゃん」
自分の上に乗っているアスナは珍しいくらい女らしい顔つきをしているように見える。その年の位にしては実に豊満な、体つきで、柔らかな胸が先ほどから胸板に乗っている。風呂上がりの、愛用しているという石鹸の甘い香りが漂ってきて、酔ってしまいそうだ。白い頬は薄く上気し、薄桃色をしている。緊張しているのか、牛島の顔の隣についている手と腕はかすかにふるえている。ゆっくりと目を瞑りながら、顔を近づけ来たアスナを拒むことなく受け入れると唇に柔らかいものが触れた。ちゅ、と数度音を立てて唇が離れていく。涙の膜が張っているように見える瞳で、じっと牛島を見つめる。
牛島の手がようやく、アスナの頬に触れた。大きな手の、暖かなぬくもりが確かに心地よくて、アスナはゴクリと、息をのんだ。――もっと、もっと触って。そういわんばかりにその手にすり寄るように頬を近づけると、その手が髪をかき分けて後頭部に回り、そのまま引き寄せられる。再び唇が重なると、今度は牛島の舌がアスナの唇を舐めた。――開け、といわんばかりのそれに、アスナはおずおずと口を開く。口内に侵入してくる舌を受け入れると、牛島はアスナの口内を犯した。上あごをなぞり、舌を擦り合わせ、絡め、歯をなぞり、舌裏を舐める。吐息が堪えられず、溢れ出るようになる頃には、すっかりアスナも酸欠になりかけていて、目をうるませて、わずかに目を開けて牛島を見る。
すると、目が合った。こんな姿を見られていたのだろうか、と思うと今更ながらに羞恥心がこみあげてきて、アスナは目を逸らした。最後に、唇を合わせて離れていった牛島に少しばかりの名残惜しさを感じながらも、アスナは完全に牛島に体を預けた。それにこたえるように、牛島もアスナを抱きしめると、その体制のまま、アスナのふわふわといたタオル地の部屋着に手を掛ける。
服の中に手を入れると、ぞわ、とアスナが震えた。つつ、と武骨な指で背中をなぞるとくすぐったそうに、だが、確かに感じているようにアスナは反応を示す。行きついた下着のホックを外すとアスナはゆっくりと体を起き上がらせて、部屋着の上を自ら脱いだ。ホックだけ外れた下着も脱いでベッドの下に落とす。牛島も体を起き上がらせると、来ていたTシャツを脱いで床に放る。皺になるよ、と困ったように言うアスナの言葉など気にせず、牛島はアスナを押し倒した。いつまでもアスナを上にするつもりはなかった。
「あ、……み、見ないで」
「今更だろう。男子更衣室でも平然と着替えるやつが」
「ふ、普段はちゃんと下着付けてるでしょ!?全裸になったことはないもんっ」
「初めてでもないだろう」
「……うっ」
そういいながら、アスナの目じりにキスをする。ん、と柔らかな吐息が零れる。そのまま、耳へ降りてキスすると、はぁ、と艶のある吐息が零れる。首筋を唇でたどり、鎖骨あたりで舌を押し付けるように愛撫すると、アスナは口を手で押さえて、声を出すまいとしているのが見えた。
「アスナ」
窘めるように、そういうとアスナはおずおずとその手を外す。再度キスを交わして、牛島はその大きな手で胸を持ち上げるようにして寄せた。重量と質量のあるそれは随分と重く感じる。牛島の手にすら余るそれを揉みしだくと、一段と甲高い声がアスナの口から漏れる。
「あっ、やっ……わ、かちゃんっ、やっ、いた…っ」
少し力が入りすぎていたか、アスナが少し抵抗を見せる。しかしながら、牛島の手にもまれて両の飾りが硬く主張を始めていた。手のひらで擦れるようにその手の位置を変えると、アスナがびくりと、と震えて反応する。
「あっぁんっ、やっ、若、ちゃっ、ちゃんと、触ってっちゃんと触ってよぉ…っ」
ぐにぐに、と揉みしだくだけだった手を片方の頂に沿えて、もう片方は口を大きく開いて吸い付いた。
「あっ、ぁぁああっ」
片方は指でつまみ上げたり、擦りあげると、体が震え、咥えている方は強く吸い上げるとアスナの歓喜の声があふれ出る。嬌声がとめどなく溢れることに羞恥を感じるのか、シーツを噛みしめようとしている。それを眺めながら、ぐりぐりと舌で押しつぶすようにすると、アスナの背中が持ち上がり、より胸がつきだされる形となる。再び咥え直して、強く吸い上げる。
次第に、抵抗するつもりではないだろうが、自然と足が持ち上がり、バタバタと動き始める。もどかしいのか、と牛島はそれを眺めながら、空いている手で、持ち上がった足の太ももをなぞる。筋肉がついたそれは女のそこにしては聊か硬いのかもしれないが、ほどよい肉付きだ。指でなぞられると、まだ触られていないはずのそこから愛液が溢れてくるような感覚をアスナは感じ取っていた。牛島が胸から口を離すと、銀糸が舌先と飾りを繋いでいて、その光景が余りにも扇情的で、目をそらすことができず、息を乱しながら見つめていた。牛島の目がアスナのうるんだ瞳を捉える。
「もう、これも邪魔だろう」
部屋着のショートパンツと、下着。牛島はアスナに寄り添っていた体を起き上がらせて、それに指を掛けた。じっとアスナを見つめると、ゆっくりとこく、と頷いた。それを確認してから、アスナの足を持ち上げて、ショートパンツのみ脱がせて、床へ落とす。下着の上からでもわかるシミに、少しばかり口の端が持ち上がった。
下着の上から割れ目をなぞる様に指を押し上げると、ぐちゅ、と音が鳴った。
「あれだけで濡らしていたのか」
「あっやっ…っ、ち、ちが…っ」
「違うのか?もう下着も意味を為してないな」
下着を投げだして、足を開かせるように持ち上げる。愛液でぬれているそこへ指を這わせると、くちゅくちゅと水音が鳴り、入り口をなぞる度にアスナの体は震えた。もどかしい。もどかしい。もっと刺激がほしい、とアスナはシーツを強く握りしめて、じっと牛島を見つめた。ゆびにたっぷりと絡みついた愛液で秘豆を擦りあげると、アスナから甲高い嬌声が響く。
「ひゃっ、あぁぁあっ!!やっ、そこ…っ、やめっあ、あんっ!」
ぐりぐりと指で押したり、親指と人差し指で摘み上げると足がぴん、と突っ張ったように伸びる。だらしなく口を開いて、嬌声を上げるアスナを見下ろしながら、牛島は愛撫を続ける。
「ひっ、ひぅ…っ、や、やめ…わ、か、ちゃっ、い、いっちゃ、イっちゃぅ……」
アスナの体が震える度に豊満な胸が揺れる。体が跳ねる度に、膣からは愛液が溢れだし、シーツを汚していた。びくん、と大きく反応を示したところで牛島は秘豆から手を離した。突然快楽から解放されたせいか、少し呆然とした様子でアスナが牛島を見ていた。放心しているようにも見えるアスナを見ながら、牛島は愛液の絡みついた指を舐めた。いやらしいその光景を見つめているだけで、膣の奥がうずく様な感覚がして、アスナは目を逸らした。自分の唾液もからませた指をアスナの膣口に押し当てると、ゆっくりとそこへ押し込んだ。
「ひぅんっ!」
「もう、十分濡れてるな。……これなら、すぐに入れても問題なさそうだが」
太い二本の指がアスナの膣壁を擦りあげる。ぐりぐりといいところを責められながら、抜き差しされる指に、散々高ぶった体はあっさりと達してしまう。嬌声と共に痙攣し、達したアスナを見下ろしながら、膣内の愛撫もそこそこに牛島は指を引き抜いた。ずるり、と引き抜かれた指についてくるように糸を引く愛液を眺めながら、アスナの腰を掴む。ゴムを開けて装着すると、達したばかりのひくついている入り口に押し当てた。入れないように少し擦り付けると秘豆と勃起しているそれが擦れて電気が走ったような感覚がアスナを襲った。
「ひゃっ、あ…っ、若、ちゃん…っ、ま、だ、だめ…イった、ばっかりだから……お願い、もう少し、まっ」
そこで、アスナの言葉は途切れて、嬌声が部屋に響いた。下手をすると部屋の外にも漏れてるのではないかと思うくらいの嬌声が響いたのは、恐らく指とは比べ物にならないほどの質量が一気に膣内に押し入ってきたからだ。逃げようとする腰を掴んで、一気に奥まで挿入すると牛島は一度動きを止めた。びくびくと痙攣する膣の様子を確認しながら、あ、あっ、と背をのけぞらせているアスナを眺める。腰を掴んでいた手の片方を離すと、胸の頂を摘み上げる。
「んっ、やぁっ!!若、ちゃ、ま、ま、ってっ、あ、やめっ、まだ、だめっ、待ってぇっああんっ」
それに合わせて律動を始めると、アスナの嬌声が一段と高まっていく。アスナがこうしている所を見るのは、何か満たされるものがある。――恐らくは征服欲か、何か。アスナが完全に自分に屈服していると、わかる。奥を執拗に攻め立てれば、アスナは何度もあっけなく達していく。嬌声と共に何度も何度も達しながら、アスナは徐々に抵抗の言葉は聞こえなくなる。ただ、嬌声が上がるのみとなってくると、涙目ながらも必死に牛島を見つめて、シーツを掴んでいたはずの両腕を牛島へ伸ばしてくる。
「あっ、わ、若っ、ちゃっ!あぁっ、あっ、んぐっ、もっ、もっとっ、もっとぉ…っ」
その腕に抱きしめられてやることなく、牛島は挿入したままアスナの体を反転させた。
「ひぐっ!!あっ、あああんっ!!」
「また、イったのか」
少し冷めた声で言うと、アスナの体がびくりと震えた。だらしなく開かれた口からは唾液が伝って落ちる。
「あっ、ご、ごめんなひゃ、あっ、わか、、ちゃっ」
枕を掴みながら、牛島の律動に耐えるアスナにはもうすでに理性など残されてはいなかった。腕で四つん這いになる力すら残っておらず、ただ尻をつきあげて、牛島の律動に甘んじていた。より深い挿入に、度々達しながらも、その快楽を享受する。
「あ、っ、き、もちいっ、あっ、ああんっ、わ、若ちゃ」
「何だ」
「わ、かちゃん、はっ、ああっん、んっ、気持ちいっ?気持ちよく、なって、あぐっ、る?」
膣の奥が、きゅうと締まる様な感覚に牛島は顔を顰めた。ぽたり、と汗が伝って落ちる。
「ああ、気持ちがいい」
「んっ、あっ、よ、かったぁ……ひぐっ」
「俺ももう少しだ。付き合え」
「あっ、ああっ」
体をぴったりと密着させて、まるで獣のように求めあう。深く深く挿入し、アスナの口に指を入れる。噛むなよ、と言い聞かせておけば、必死に噛まないようにアスナが牛島の指を舐めていた。
「んぐ、んんんっ」
「くっ」
「んぁぁぁあっ!!!」
頭の奥が真っ白になる様な感覚がして、牛島もアスナも達した。
それからも数度牛島が達してから、ベッドに横になった。うつらうつらと、眠気に襲われながらも事後処理を済ませる牛島を待っているアスナに牛島はその頭を撫でた。それだけで眠気に誘われてしまいそうだ、とアスナは落ちそうになる瞼を必死に開けてこらえる。
「若、ちゃ」
「どうした」
「抱っこ……」
「……」
ほら、といわんばかりに抱きしめられて、アスナは満足げに笑って目を閉じた。
「愛してる、アスナ」
「ん……俺、も」