エースとハグ

「どこ、ここ?」
起きたら何故か全く見覚えのない白い部屋にいた。何言ってんだと思うかもしれないけど私が一番言いたい。一体どうなってんだ。昨日の夜いつも通りに自分のベッドに入ったところは覚えてるんだけど、これは夢??
でも夢というにはあまりにリアルすぎるんだよね…。一瞬誘拐された!?とも思ったけど特に縛られてるわけでもないしベッドで寝てたし小綺麗な部屋だし、ナイトレイブンカレッジ内で、私なんか攫う人がいるとも思えない。 
とりあえず部屋の中でも調べてみようかとベッドをおりかけたとき、ベッドの左側がもぞ、と動いた。

「…!?!!」
咄嗟に距離を取り見ると布団に埋まってて顔は見えないが人一人分くらいの膨らみがある。まさか広めのベッドとはいえこんな近くに人がいるとは思わなかった。 

「え、どうしよ」
もし同じ境遇なら仲間がいれば心強い、けど知らない人だと気まずいというか誘拐犯とかだったらどうしよう今のうちに逃げたほうがいいかな…
なんて考えながら距離をとっていると「んー…」という声とともに見慣れた少し赤みがかったオレンジの髪が出てきた。

「ん…、あれどこだここ」

「エース…っ!!!」
「うわ、なまえ?どうした?なんでここ、というかどこだこれ」

不安になってたところに現れた同級生に思わず勢いよく抱きつく。まだ状況が飲み込めてないにも関わらず私の突撃を受け入れてよしよしと軽く頭を撫でてくれる手に不覚にもちょっと泣きそうになる。

「…っ、それが私もわからなくて、昨日普通に自分のベッドに入ったはずなんだけど気づいたらここで…」
「そうだよな。オレも普通に寝た記憶しかない」

「とりあえず部屋調べてみるか。なんか手がかりあるかもしれないし。」
「わかった!」
「なに、そんなにオレと一緒で嬉しい?」
「そりゃもう!エースがいてくれてほんとよかったよ」
「そ、…まあ人の気配はないけどあんまりオレから離れないようにね」

部屋の中をひとしきり調べてみたけどいわゆる普通の1LDKの部屋という感じだ。最初にいたところは寝室でもう一部屋リビングがありあとキッチン風呂トイレみたいな感じ。
ぱっと見たところ怪しいものはないし部屋も綺麗で快適だし食べ物も生活用品も揃ってるけど新品ばかりだし、ほんとに何なんだろう…。

「なまえどんな感じ?なんかありそう?」
「ううん、こっちは特に怪しいものはないかな。エースは?」
「こっちも特に収穫なしかなー。なんかやたら食べ物とか物はあるけど」
「そうだよね、ここでしばらく暮らせそうなくらい」

「なんなら、しばらくここで二人で暮らしてみる?」
「なっっ…に言ってんの!そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!あと急に耳元で喋らないで!」
「ちぇー、そんな否定しなくても冗談じゃん。まあでもあんまり焦んなよ、俺もいるんだしさ」

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