止まり出した
 その思考回路

0話それはもう過去の事

少女は淡い夢をみる

叶う訳がない夢を

夢ならば良いと願い


少女は今日も月夜の中

身体を幻に落とす




『とか言って直ぐに夢の中に入るんだから』

あーあ、無駄無駄

そう言いながら深夜遅くに風呂に入り
寝る寸前の少女・・羽黒都は首を
横に振り眼を開ける



左耳にはピアスを開けており
殆どの時間星の形をした銀のピアスを付けている

守る者は左耳にピアスを付けると先祖代々
言われてきた習わしだ

そのピアスをベッドの隣にある小机の上に置き
大きな長いため息を一つ


『はぁ・・・明日から、いよいよヒーロー科か』


個人的には全く違う種類の仕事をしようかと
思っていたんだが個性が個性だ
それに幾つか気になる事もあり親と学校が
なんか知らないけど転校を希望したのだ

個人的には嬉しい話であの高校だ
あの有名な高校に無事合格した為
私は明日からその高校に歳は幾つか下だが
一年生からと言う事で話しは決まった


『相澤先生のクラスになるんだよな
大丈夫かなぁ・・って大丈夫じゃないか
私色々と心配になるんだけど』


前世の記憶があるだなんて
主人公にさえも知られると困る話だ
本当ならなるべく原作に触れない日常を
送りたかったんだが・・・

哀しくもヒーローに憧れた事が
何度もあったので仕方がない


それに私の家系は由緒代々のヒーロー一家
然も両方だ・・父方も母方もだ。
一人っ子として産まれたのでそりゃあもう
可愛がられて育ったので可愛い系の
女の子として育ってきている・・のだが



『・・この記憶がどうか変な方向に曲がりませんように。』


と言うか何故に私がヒーロー科に入れたかと言うとだな
・・まぁそれは何時か話そう。



そう思いながら私は眼を瞑りそのまま夢の中に旅立ったのだった


***


何だかんだ言って朝
私は自分が本当にこの世界に産まれて来たのか
正直全くと言っても過言じゃない程

・・疑問に思っていた時がありました



「お?誰だお前、こっちに用か?」

『(やっっっべぇリアルガチヤバイ切島君やん)』


思わず笑いたい感情を押し殺しなんとかする

『うん、職員室に用事があってね』

「おう?ならこっちの方だぞ?」

おう??私反対方向に向かっていました?
いやぁヒーロー科ってあるだけに私
何処行って良いのか分からずでして

そう一枚の紙を出した私に
男の子が驚きだした

「ええっ!?転校生か!おお!俺の名前は切島!
切島鋭児郎っていうんだ!!」

『ええっと、私の名前は』

「あら、都ちゃんじゃなーい!お久しぶりー!!」

そう名前が飛んできたのは前から
切島君からは後ろからだった

切島「うおっ!ミッドナイト先生!はざーっす!!」

ミッド「はいおはよう、
今日からこっちの学校なんですってね!」

『うん!ねむ姉ちゃんは此処の人?』

ミッド「そうよー相変わらずの呼び方に
私安心しちゃったーあ、此処の子達は貴方に
危害を加えないだろうから安心して?」

危害?そう切島君が驚いている時に私は
少し目線が下に行くが話を進める

『あ、あの私実は男の人苦手でね
話をするのはようやく出来る様には
なったんだけどまだまだで』

切島「ああ、そうか・・・なんかごめん」

『いいやとんでもない!
声かけてくれて嬉しかったよ』

そう和んでいるとねむ姉ちゃんが間に割り込んできて
青春ねーとか手で二の腕掴んでゾクゾクしていた
それに私は苦笑いだ

ミッド「でも今日からは出来れば
ミッドナイト先生で行ってね。
話をしている時は別に良いけど」

『分かりました!ミッドナイト先生!
職員室と校長室にご案内お願いします!』

そう片手をパッと上げると嬉しそうに笑い
「こっちよ、ついてきて」と言って歩いていく
それに羽黒は切島を見ながらオドオドする

切「またあとでな!」

そう言って何処かに走って行った切島君に
羽黒は本当にまた後で会うのを知らないのだろう
と思いながらミッドナイトの後を小走りで追ったのだ




















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