ほんものの夢の中

生まれ変わったら、生まれ変わったらね、
今度は人間に生まれたいな。

貴方と沢山笑って、一緒に泣いて、
想いを交わして、隣にそっと寄り添って、
同じ時を刻んで生きるの。

手を繋いだり、腕を組んだり、抱き合ったり、
甘い甘いキスをしたり、
デートっていうのもしてみたい。

優しく撫でてくれる手を、
慈愛の籠もった瞳を、
温かな呼び声を、

一度失ってしまうとしても、
きっと、きっと、
また巡り逢えると信じてるから――。



だから、ねぇ……どうか、




どうか−−のことを忘れないでください。



ほんものの夢の中






久しぶりに夢をみた
とても愛おしい夢で寂しい夢だったのか
覚えていないが涙を流していた事は理解した


私の名前は羽黒 都(はぐろ みや)
今年でもう16になる高校一年生だ



そんな私は朝からひし形の様な形をした
クリスタル(はそんなものか?)
が付いた蒼い鍵が付いているネックレスを手に取り
首にかけて服の中に入れる

紐が糸並みに細いので殆どバレる事はないし
これは個性伝承なので仕方がないね


寝ぼけた顔で一階に降りて母に挨拶する
此処で自己紹介

羽黒優子 今年でもう32になる

ヒーロー名はトンボヒーロー ハロン
トンボの中でもめちゃくちゃ速い
くっそ速いので救助と言うよりかは
配達関係に多く居る事がおおい

所謂サイドキックという者である


母の方の家系でこの鍵を貰って継承する前だ
今は使える様にと毎日慣れる為に学校に
持ち歩いているが

母は「使う時は本当に気を付けてね」
と何度も言うのだ
そんなに危ないなら私に継承しないでほしい





父親の名前は羽黒和也

此方は役場の方の務め兼
緊急時用のヒーロー活動をしている

個性はあらゆるものを運ぶ事

炎や水も持てるので水害時には
水を浮かせて救助活動を手伝っている




「都さっさと支度して親戚のお姉さん処に行くわよ!」

『はーい、待って今支度するから』


そう、私は今から親戚の兄にお世話になるのだ
どうして私が親戚にお世話になるかと言うと

それは彼ととっても仲が良く知り合い且つ・・・






がチャリと音を立ててドアを開けた男の人
黒茶髪の綺麗な人だった


「お?お久しぶり都ちゃん!元気?」

『お久しぶりです』

母「じゃあ都を頼みました」

「任せて下さい!荒いですが
都ちゃんを三年間お預かりします!」


バタンと閉じた彼は言う


「お久しぶりだね"都佑ちゃん"」

『まさか愛犬にお世話される日が来るとは』


前世で世話していた愛犬だったからだ



******************


部屋にはもう既に宅配便の荷物がずらりと入っていた
それに今日は休日だからと言って誰かを呼んでいるようだ
この忙しくなる日に誰が来るのだろうと思っていたら

目の前から背の高い黒ずくめの男とやけに
外人っぽい男の人と胸が大きい女の人が入って来た

因みに女の人であり前世の愛犬であった人の名前は
サウンドヒーロー エフ 本名は下川咲也だ。


エフ「紹介するわ、ちょっと遠い親戚の子供で」

『あっ、羽黒都と申します、なんかこんな汚くてごめんなさい
っていうか・・待って?ちょっとじゃないよね?』

かなり遠かった筈ですけど
お母さんの従妹のお兄さんのそのまた・・
いいや面倒だ諦めよう


マイク「ノンノン!俺達は今日遊びに来たついでに
荷物整理の手伝いに来たんだぜー!俺はマイク
プレゼント・マイクって言うんだ。こっちは」

「香山 睡(かやま ねむり)よ都ちゃんって言うのね!
可愛らしいわー!ねむちゃんって呼んでね!」

「相澤消太だ、宜しくね」


おうふ、濃いって言うか雄英高校の先生じゃないですか
って待って



エフ「どうしてこの人達とって思ったでしょう?
ふふ、都に言うのは初めてだったかもしれないけど
僕はマイクや相澤君達とは同期なんだよね」

マジですか羨ましいですね?
後で歯磨き粉に蜂蜜混ぜておいたらいいのかな?
歯磨き出来ないね???

ざまぁ

まぁしないですけど前言撤回ですけど
そうなんだね
全く知らなかったから目ん玉飛び出そうになったヤバイ


相澤「お前に遠い親戚居たんだな」

エフ「私だって居るわよ!
何異星人レッテル続いてるの!?」

『(異星人設定は前世の私ですね?
もう本当に申し訳ないわパピ君や)』


そうちょっとした和み?を入れつつ都の部屋に入れる家具を
入れて貰いながら小物を睡さん事ねむちゃんと作業する事になった


*******************



ねむ「都ちゃんってどんな字かくの?」

『みやこって字を書くんですけど読みにくいですよね』

と言うか読めない

恐ろしい程に前世と似ている名前にも親にも驚いた
文字だけほぼ変わって居なくて、驚きだよね。

私はどちらかと言うと凄く見たことある名前と
見た目に唸るだけなんですけどね


ねむ「エフとどんな付き合いなの?
っていうかエフから好きな子とか話聞いたことある?」

相澤「ミッドナイトさん喋ってないで手動かして下さいよ」


なんか後ろから凄い棘のある声が聴こえた気がしたが
放置して良いとか言っているんだが、絶対アカンやつでしょう?
え?違う?大丈夫?ならいいか???


『いえ、藤田さんって方が居ると聞いていますけど?』

藤田さん
私のこっちの方でのかかり医になっている人らしい
エフが後で連れて行ってくれるそうで少し会うのが楽しみだ

と言うかねむちゃん凄い食いつくからちょっと怖いけど
マイクさん達と話すのも怖いのでちょっと止めておこう


ねむ「ええ?!ちょっとそれ聴いてないー!
これは本人に後で直接聞くべき事案ね!」

そう言いながらちゃっちゃとカーテンを張り替えてくれて
ものの30分もせずに終わってしまって驚きで歓喜の声が出る

勿論ありがとうございますと丁寧にお礼を言う
そんな事ねーよ、と嬉しそうに笑顔で手を振りながら
マイクさんはお手伝い出来て良かったと言ってくれた

何だこの良い人は、都ちゃん泣くぞおら


エフ「あ、もう終わったの?じゃあ買い物行こうか!」

相澤「俺はさっさとかエフ「駄目相澤君行くの
お食事も済ませるの分かった?」分かりましたから
それ以上近寄らないで下さい!!」


驚く程に至近距離で言い詰めるエフに相澤は眼を瞑りながら
明後日の方向をみて謝りながら両手をパーにしてこれ以上
こっちに来ない様にしようとしているが・・・

本人が近いかなぁ、と言っていた処どうやら至近距離と言う
処が全く見えていなかったらしい・・恐るべき私の遺伝子

前世の遺伝子性格が驚く程こっちで活用されているとは知らなかった
流石私の遺伝子と言うか私の前世の祖先の遺伝子


めちゃくちゃつおーいですね?




そんなこんなで近くのショッピングセンターにきちゃいました
なんか凄い新鮮と言うかどうしても周りが身長高い
(低くて160なので私の身長差20p解せぬ)

のでどうしても少し距離を置いて話したいのだが
少し距離を置いてしまうと今日みたいな人ごみの中を
歩いていくのはちょっと気が引ける

然し今ねむちゃんに捕まっている(質問攻めとも言う)
エフに「お手繋ぎたい」だなんて子供な事は言いたくない


と言うか既に迷子になりそうで、あっぷあっぷしていると
急に誰かの手に掴まれて驚いて固まっていると
「おい」って声が聴こえたってか怖いです


相澤「離れんなよ」

『(離れてききたいのに怖いです)』

実はこれでも男性が少し苦手で今正に少し震えあがりそうなんだが
頑張ってギュッと歯と唇噛みしめてなんとか維持している
頑張れ私負けるな私、男性に手掴まれるとか普通にあるからな


そう我慢していたのが分かったのか直ぐに
ねむちゃん達を呼び離れそうになったことを伝えた
相澤に都は驚き二度見する


相澤「なんだ?男にいきなり掴まれたら
怖いのはあたりまえだろ。
不可抗力とはいえ怖がらせてすまないな」

『あ、いえ・・(ばれちゃった)』

分かりやすいと言うよりかは雰囲気が駄々漏れだったのだろう
そういう時はちゃんとはっきり言えと先生みたいだなぁと
思いながらねむちゃんの手を取りお話をしているのも
聴きながら辺りを見る


それからねむちゃんらの服をみたり
相澤先生達の服もみたりしていたが・・


ジャッ

『あの・・ちょっと恥ずかしいです』

顔が真っ赤になりそうな勢いでお着換え人形になっていた
可愛らしいふんわりとしたピンクで纏めた服やら
ちょっとクールな形の服やら

相澤さんはマイクさんに連れられて何処かに行った様だ


それでも恥ずかしいちゃ恥ずかしい


ねむ「うーんやっぱり女の子だし
ピンク系とか可愛らしいのもいいわね
コレにしましょう」

エフ「こっちのちょっとクールな感じの
可愛らしいのも買いましょう、やっぱり
顔が濃いから相変わらず何でも似合うわね!」


昔からと付けたのに意味深だなぁと内心思いながら
ショッピングセンターなので少し休憩したいと
思っていると何やら影の様な物が見えたので
不思議に思い後を付ける前にエフに一言言っておく

ちょっとお腹壊したから長いと思うけど
トイレ行ってくるね・・と言って少し小走り気味に
お腹を触りながら行く途中でマイクさん達と出会う


うん、すれ違ったけど恐らくバレてない
とりあえず影の場所に付いて行こう
ヴィランだったら通報すればいいと



思っていた時期が私にもありました


++++++++++++++++++++++


『此処確実に入っちゃ駄目なんだろうけど
なんか鍵が光り出したよヤバいよ・・』

そうぼそりと呟きながら後を付けていると
ヴィランの声が聴こえる所まで来た
一応手で握り持ってきた透明のカードを手に取って置く

1人位なら応戦出来るし、何とかなるだろう
と言うか早く此処から逃げたいとっても逃げたい


と思いながらキョロキョロして辺りに何にもない
のを見てすぐに逃げようとした時が私にもありました



ガザッと響く音に此処はコンクリートの建物
まぁ綺麗に音が鳴り響くわけでして綺麗に「誰だ!」
と名乗らなければいけない声が出たので


『(そうだ逃げよう!!)』

これ位なら個性使って逃げても大丈夫と思ったのだが
生憎今日は羽が出ても良い服ではない為走るしかない



「おら!捕まえた・・・」

『っ!!(早い!カードは)』

驚いたと同時に何処かに落としてしまった事に気が付き
顔から血の気が引く


腕を掴まれ可愛い嬢ちゃんだなと言われて
思わず「ひっ」と怖い声が漏れてしまう


あー本当に今日は付いていないなぁ
カードさえ落とさなければ攻撃が出来たのに
こうなれば股間を「此処か!!」おお??


エフ「都!!ヴィランか!」

相澤「マイク!警察呼んで来い!
俺はミッドナイトさん援護しながら救出する!」

手提げ袋から包帯の様な消防にあるホースの
様な長いものを首にかけて黄色のゴーグルをつけて
此方に行こうとする相澤さんに

勿論お約束の「来るな!」が出てまぁ刃物出される


あー、カード取れないかなぁ・・・
取れたらこんなやつもうぎちょんぎちょんに
しちゃうんだけどなぁ・・・



ねむ「くっ、人質を解放しなさい!」

『(その前にカードを取らせて下さい
アレ本当に大切なので落としたらご先祖様に
雷落とされますから)』


(物理的に)


切実に願いながらヴィランがねむちゃん達
多分ヒーローと話している中私はずっと
明後日の方向をみながら透明のカードを見つけようとするが
一向に見つかれない

本当にありがとうございました死ぬ


「ってお前は何処見てんだ!」

『わーいこっちに刃物持って来ちゃ』


やーよっと、言いながら屈伸してヴィランから
はなれる前に股間に思いっ切り足を上に蹴り上げる

すると綺麗にクリーンヒットしたのか凄く
痛そうな青ざめた顔になり直ぐに私は
エフの元に走る

エフは凄く心配した顔で私を抱きしめてくれた


凄く言いにくいんだけど大切な物落としたから
探しても良いですかね?駄目ですかね?

エフ「ヴィランは直ぐに片づけるから
もう大丈夫、怖くないよ」

待ってヴィランに怯えているんじゃなくて
私はカードを無くしたことにご先祖様に
叱られそうで泣きそうなんですけどねぇ待って?


まぁ相澤さんが綺麗にヴィラン仕留めて
ねむちゃんが眠り粉?的なのをまき散らして
眠らせた時にやっと警察が来て話が大きくなろうとした時

警察「じゃあ此処じゃなんだからあっちの方で」

『あ、あの!・・その落とし物探しても良いですか?』

エフ「え?何落としたの・・・」

『例の物ですエフ様や』


おバカと軽くゲンコツ来ました本当にありがとうございます
安心するわ逆に・・・

結局エフと2人で探しているとカードは見つかり
何とか警察に事情も話して好奇心で動いちゃ
駄目だよーと言われて終わると日が暮れていた



エフ「にしてもこんな事初めてだったでしょー」

『まぁね』

ねむ「ヴィラン怖かったでしょう?」

『こわ・・かったですね、はいそうです。』


決して子供みたいにカードで解決しようと試そうと
していたとかそんなんじゃありません・・
ええそうですそうなんです。

そう飲み込んでいると今日は沢山お世話になったので
お礼をしてねむちゃん達とはお別れした


PPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPP




エフ「はぁーそれにしても驚いた
まさか君がヴィランに会うとはね」

『私もビビったよパピ―
カードを落してからずっとカードばかり
探すのに手一杯だったよー』

泣きそうな声でも何とか無傷でカードを出す
都にため息交じりながら「全くだよ」と呆れた
声で言う


エフ「こんなものがヴィラン処かヒーロー達にまで
知られると君の命が物凄く危ういし価値が高まるからね」

『そうなんだよ・・それだけは本当に避けたかったから
まぁカード見つけて使うよりは結果オーライかな?』


私の個性は一つしかないのだが
継承個性と呼ばれる巷も仙人も知らない特殊な家系で
話しが伝言ゲームの様に続いているのだ


エフ「まさか二十歳になる迄に全てのカードに
個性を入れろってとんでもない家系に生まれたね」

『全くです、ヴィランの個性が影っていうのも
あったから欲しかったけど』


よくよく考えるとヴィランの個性は使い道が
その場のだまし討ちしか出来ないので駄目だ


まぁ色々話した上に相澤さん達からにも
色々言われたのでそれに反省しながらお風呂に
入って寝ようと決意をした都だった



























お風呂に入り終わった後都はふと
夢の内容を夢日記に書こうと思い
すぐに部屋に入って机の上にある電気を付ける

確か今日は・・・・・・





書きながらふと相澤さん達にまた会える気がして
すぐに途中ながらも普通の日記の方を付ける事にした
都だった




《後書きスペース》