この間引かれた物語

緑谷と爆豪が戦い出した頃

此方も深夜に出ていた


フク「…小籠、呼び出したのには理由が幾つかある」

『ねぇコレってさ?相澤先生達に報告してる?ねぇしてる?』

フク「先ずは仮免おめでとう!何であんないい事教えてくれなかったの!?」

『何で質問には答えてくれないのかなぁ!?』


そう焦りまくりの小籠とフクが居るのは部屋の中から飛んで出た
近くの小林の中であった

夜というのもあり余計暗いのにびくびくしていた小籠は
ついうっかり大きな声が出て静かになった事に
フクは話を進めた


フク「一応言っておくが、許可は貰ってねぇに決まってるだろ」

『(この子分かり切った様に自信満々で言ってるんですけどぉ!?)』

後で怒られるのは私なんですけど!?と思いながら
打って違いフクの一声で小籠の顔が変わる



フク「お前には最終試練が待っている」


『最終?何、それ』


フク「今現在のカードは30枚」

そう言ったフクは翼を出し人間の姿に変わった後
カードを空に飛ばし、顔の元に浮遊させた

その姿が異次元の様な物だったが
まぁ話を戻そう


フク「現状本来であれば、もう少し先にしたかったんだが
少々敵もお前の個性を知っているらしくな。」

体育祭では見せなかったカードに
フクは情報を付け加える


一般人は今の処何も知らない若しくは
”個性を一時的にカードにした上で攻撃をしている”
と思い違っているらしい

それに小籠は疑問を抱いた
何処でそんな情報が出たのだろう?と

フク「夜の満月月の光を浴びたカードは
神秘的な力を得ると伝えられている
偶には出して光を吸収させるのも手だ」

『話が見えないんだけどーつまり?』



フク「審判を二日後に行う」



『最初の審判、とはまた違うって感じかな?』

フク「勿論、ルールも説明しておこうと思ってね
その一、先生及び一部の生徒に見られつつ僕らと闘ってもらう」

いきなり地獄のルールが始まりませんでした?
あれ?気のせい?おかしいなぁ…もう一度言わなくて良いよ


フク「その二、君が使うカードは必ず一回のみ
30枚あるから30回しか使用出来ない」

ルール更に過酷になってません?

フク「その三、審判のち不合格の場合死刑に処す」


『何でぇええええ!!!!!』

しーーーーーー

と言われたフクに対して怒る小籠


そもそも小籠とフクの関係は相澤位しか知らないのだ
他の人間には秘密にしている
なのにそれをどうしてバラす必要があるのだろうか?

疑問な小籠にフクは声を出そうとしたが
先に変な足音に気付き振り向いた



『‥フクちゃんを』


フク「ん?」


気のせい、ではないだろう。
此方の様子を伺っている状態に
問題ないと首を横に振り大きな丸を作り合図を出す

それに気付いたカメラのセンサーが動いていく中
小籠の声がボソリと呟いた



『フクちゃんを、傷付けないといけないなんて、やだよ』



その寂しそうな目と声に、一瞬何を言っているのだろうか
分からなくなったフクだったが、直ぐに小籠の目線の下に身体をおろした


「僕は君に生きて欲しい。
だからこそこの試練の話を先にしたんだ。
此処なら良い子な雄英生なら誰も来ない。」

ずっと、仲良くしてほしい。
そう言った日を、この少女は憶えて居るだろうか?

「先代の様に毎度寂しい思いなんてして欲しくない。
だから君には先に言いたかったんだ、分かってくれるかい?」


『…ずるい、フクちゃんも、カードさんも、みんなずるいよ、』


一体どっちがずるいのだろうか?
何処に行っても大丈夫な子が、何を言っているのだろう?

フク「君は、カードや僕らが嫌いかい?」

すると小籠は大きく首を振る
未だ下を向いているその眼はかなり揺れていた


フク「僕らやカード達も皆、君が好きだ。
特に懐かない筈のカード迄君を気に入っている位なんだ」


だから、これは受けるべき試練なのだ

例え傷付けてしまっても
前に進んで欲しいから







































《後書きスペース》