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悟飯「一難去ってまた一難とは、この事ですね」
クロア「出来れば君らの記憶事
彼女の記憶全て消したいんだけど
消したら彼女、怒るだろうし
何時か乗り越えなくちゃ
いけない問題だったんだ」
神殿の中心に浮かぶ都佑に
悟飯達は哀しい夢なのかと錯覚する
クロ「残念だが、酷く哀しい現実だ
まぁ都佑で良かったなお前ら」
クリリン「何を」
ガシッとピッコロはクロの服を掴んだ
今にも殺しそうな目でクロを睨む
ピッコロ「貴様っ!!」
悟空「やめろ!ピッコロ!!」
ピッコロ「止めるな孫!これは」
クロ「もしもあの時、ピッコロ
君がこれを食らっていたらどうなって
いたと思う?」
いきなりの質問に、は?と声が出る
クロ「都佑は酷く己を攻め
ピッコロの過去の記憶が全て
頭の中を巡り暴れる事になっていただろう
だがその記憶はとっくの昔に
悟飯君の手によって浄化されている」
悟飯「え?僕が?」
クロア「純粋な子供の前では
流石の大魔王もずっと己を貫く事は
出来なかったからねー。」
クリリン「そ、それなら都佑もーー」
クロ「残念ながらこいつはダメだ」
ポンと手を出して球体に置く
それにそんな、と項垂れる悟飯
クロ「いいか?貴様らみたいに
辛い環境を生き抜いて克服して
こいつは生きていないんだ。
今迄どんな思いで生きてきたかと思う?
「どうしてこんな思いを抱かなくては
いけないんだろう」「きっとこれは
悪い夢なんだ、私が悪い子だから
罰を受けなきゃいけないんだ」
等と現実逃避して気持ちだけ
時間に流したんだ」
クロ「その為都佑は、今も尚
己を攻めて生きている。ついさっき、
君らと話していたであろう都佑は
肝心な所は綺麗に隠して傷つきながら
生きていたんだ。それが、彼女の今の
一番の望み」
ブルマ「何で?普通嫌な事は嫌うでしょ?
何でそんな自分が嫌な事ばかり、」
そこまで言ってクロとクロア、
ノアと芽生は目を合わせてブルマ達に
優しく笑った
ノア「本当に貴方って人は・・・・」
クロア「都佑が如何にも!って
感じだねー!確かにこんなの持ったら
嫌でも離れたくないよね」
クリリン「何なんだよー!俺達にも
わかり易く説明してくれよー!」
そう駄々をこね出すクリリン達に
芽生が1人前に出た
芽生「いいか?カイルは姫といったが
私達は都佑と同じ魂で作られている
様なもので、カイルは魂として見定めた
その為標的は悲しくもここに残っていた
都佑になり、瑠璃をターゲットに
したのは私達が他人を傷付くのを
見るのを酷く嫌うからだ」
瑠璃「あ、だからあの時、」
ピッコロ「何だ?何か思い当たる事が、」
瑠璃「うん、ピッコロさんに庇われる
前に何処からか声がしたの。」
クロア「あ、もしかしてこんな感じ?
・・・・やめてって」
あーそれかー、とノアが伸び伸びと
身体を伸ばして答える
ノア「確か危険信号だよな、都佑の
十八番中の十八番技で
いや、だめ、やめて、の順に
自然と時の流れを一時的に遅くさせる
能力があってな、最近見てなかったな」
悟空「ひぇー!そんな能力あるんかー!」
そうだよー!とクロアはくすくすと
面白そうに笑いながら都佑の
球体を抱きしめる
クロア「・・・・あー」
ピッコロ「どうした?」
クロア「いや、うん・・・・痛いね」
クリリン「な、何もしてないのに?」
じゃあ試しに悟飯おいでーと
クロアは手招きして悟飯に
球体を触らせた
クロア「初めは片手だけにしておきな?」
悟飯「え?な、何だ、これ・・・・」
クロア「これは都佑の心の気持ち
私の技の一つに閉じ込める、
ストップ・フィールドって奴で、
ありとあらゆる力を抑える事が出来るんだけど
たまにこうやって手を出して触るだけで
その子の想いが表に出ちゃうの」
たのしい
でも、こわい
いや、充分だよ
・・・・君を見られるだけなら私は
そこで悟飯はぱっと手を離した
息がいつの間にか早くなっている
そこにピッコロが大丈夫かと様子を見に来た
悟飯「も、もしかして、こんな気持ちを
ずっと今の今まで抱えて、僕等と?」
それにクロアは深く頷く
クリリン「一体、何をみたんだ、悟飯」
恐る恐るクリリンが聞くと
悟飯は両手を下ろして地面をみながら話した
悟飯「何時もの、神殿でしたよ、
初めは何ともなかったんです、でも
急に知らない人が2人と子供1人が
目の前に現れて、その近くにピッコロさんと
瑠璃さんが仲良く話していて
何故か胸が凄く痛くなって、こう、
鷲掴みされたような、気分のまま
振り向くと都佑さんが、目を閉じながら
笑って、言ったんです・・・・これでいいんだって」
ブルマ「そんな、そんなのまるで」
失恋した人の気持ちじゃない
その言葉にピッコロは驚き目を見開いた
クロアは未だに都佑の球体から
離れない
クロア「でも都佑は君らを愛している
だから悟飯君が見たように、いいのって
笑ってその場で立ち止まって世界を見たんだ
そうしたら皆が幸せになれる。
彼女はそれを知った日から何一つ変われずに
過去の記憶の上にまた一つ鎖をつけた。」
都佑が人と話して喜ぶのは
笑顔で話す皆を見る為に
都佑が人に敏感なのは
皆の傷ついた顔や怒りを見たくない為に
都佑が笑って話すのは
自分の抱えきれない大きな過去を隠す為に
悟飯「都佑さんは、自分の
想いが大きくなればなるにつれて、
痛みを快楽に変えてしまったとでも
言うんですか?」
瑠璃「え?痛みが?」
悟飯「はい、通常痛みを痛みで消す方法
とか後は楽しい事を思い出して痛みを
かき消す行動を人は取るんです」
それは本当に普通の生活の中での痛み
悟飯「長い年月になるなら、人は
その痛みすら快楽にして強く根を張り
それ以外の気持ちなんてどうでもよくなる
位過去に執着しちゃうことがあって」
縛るのは記憶か、それとも感情か
悟飯「そういったことは大抵数年で
感情が壊れる筈なんです。都佑さんは
それさえも自分から落し蓋をして閉じ込めて
居ることに快楽としているんです。
・・・・例えそれが悲しくも報われない
現実だとしても」
ブルマ「そんな、それじゃあ何時まで
経っても過去から出ることなんて・・・・」
クロ「やっとわかったか?」
呆れたようにクロはピッコロ達の方に
身体を向けた
クロ「だから都佑は死ぬしか方法がない
何故ならこの過去こそ都佑の生きる
全てになっている。例えていうなら
悟空には食事が、ベジータには修行が
無いと生きていけないだろう?そんなもんだ」
ピッコロ「つまり、生きる希望を
失わない限り、命が危ないと・・・・」
クロ「その通り、悲しくもこいつは
失う位なら死んだ方がマシだと前に
ポロッと言った事があったから、
まぁ苦しんでいるのは今のうちだし
明日になれば話せるぞ?その代わり」
クロは目を閉じて意識をする
都佑の全てを、
受け止める様な覚悟の目を宿して
クロ「次に胸が張り裂けそうになるのは
お前らの方だがな」