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『にしてもフォティア達を知っているとは驚いた。』

「だから俺42の力全部知ってるんだってば。
 なんだったら言ってやろうか?」

『良いです。大体それでもう分かりました。』



そう言っている場所はミルが暮らしている家のリビング。
リルムが座っているのに答えを返したミルの回答である。


あれから数日が経った頃である。
初日は民家で寝泊まりして、
そのまま家を紹介してもらえたのだ。

幾つかあるから好きな場所でと言われたので、
東の方にある少し小丘の民家を借りることにした。
見た目も色々と手を加えて良いと聞いて
何からなにまで申し訳ないことに尽きて困っていた処。


「そうだ!なぁミルさんや」

『なんでしょう?』

「他のカードさん達の力って試したことあるのか?」

『いやないですけど』

「じゃあ俺はミルさんをこの街の家だけでなく衣食住を付ける。
 勿論戦況によっては協力してもらう形にもなるだろうけどな。」

「リルム様!?」

まぁ黙ってろ。そう手を軽く上げたリルムに、周りのどよめきが静まる。

「逆にミルさんは今まで仲間にしたカードさん達を俺に見せて欲しい。」

『えっっっ』

「何出来ないとでもいうのか」


違う違うと首を全力で横に振るミルが声をかけた。

『そ、それだけでいいんですか?』

「嗚呼勿論だ!確かミルさんって漫画やアニメ好きだったよな?」

『え、ええ…一応それで生きてた時間もありますし。』

「こう言っちゃなんだが、ミルさんのファンなんだよね。」

カード達を道具と使用しないで、ただ其処にある存在として手を差し伸べる。
力も何もない

リムル曰くミルは目を離すと隠れて
ストレスを発散出来ずに塞ぎ込むから、
暮らしやすくてかつ話しかけやすい
人の近くに居た方が良いと言われ、
リムル達が暮らしている
近くに住むことになってしまった。



 い や な ん で
 
 そ こ ま で わ か る の

 こ の あ く ま ぁ



現在、その家の一室に招かれてというか、
我が家というか牢屋というか監禁と言うか

なんというか

今日からこの部屋が私の部屋になるらしい。
慣れてきたら一軒家を貰えるとかなんとか。
本当に私のことを理解されているようですね。

ビビる。

というかビビるだけで終わらせてる
私の方が終わっているのではないのだろうか。

「シュナ、今日からミルの衣服や食事を担当してくれ。」

考えるのをやめよう。

「かしこまりました。」

「ハクロウは時々ベニマルと一緒に
 ミルを鍛えて欲しい。」

「ぴぇっ⁉」

「それはよろしいですが…
この子がそのような力を持っているとは思えないんですが。」

「ミル、ヘメラに先程の力を
1分程放出出来ないか
聞いてもらっても構わないか?」

「え?あ、まぁいいけど…ヘメラ、聞いてた?」


―解、聞いていました。実行しますか?


「うん!おねがい…」

「っ‼」

「っんだ、これ…」


 そう言ったベニマル達に対して、
ミルは目を金色にうっすらと光らせて、
ただ誰もいない所を見つめてジッと立ち尽くしていた。

その身体が動けばたちまち
この場所に穴が開くことは分かる。

 リムルとこの状態だけで互角を行くレベルで、
これで6というのだから本気を100出したらどうなるのか…
下手したらミリムといい勝負が出来る処か
軽く捻り潰せる可能性まである程だ。


「な?言ったろ?
これで半分運動音痴入ってるから、
精々泣かせない程度に指導してやれよ?」

「成る程、確かにこれは宝の持ち腐れですなぁ…
 鍛えがいがあるというものですじゃ。」

「はわ…い、い、痛いのいやだよ?」

「フォティア達にずっとおんぶにだっこは嫌だろう?
自分のことは自分でしたいって思ってるだろうに。」

「うぐっ…そりゃ、そうだけども。」

「そ・れ・に〜?
君のことだから余り敵に回したくない者から
仲間に入れるんじゃないかと思ってさ〜?
ベニマルとハクロウに対して
警戒しないって言うことはそういうことかなって。」

「ちょっとお兄さんなんでばらすかなぁ⁉」


そう目を閉じて叫ぶミルに、
成る程、それは良い心がけじゃ
とハクロウは答えた。


「敵でも余り戦いたくない者には意志を出さない。
それもまた戦術のうちの一つ。」

「あの〜ハクロウさん?
お兄さんちょっと良い方向に
勘違いしないで頂けます?」

「ほっほっほ、
この爺をお兄さん呼ばわりとは、
可愛らしい子ですのぉ、リムル様。」

「だろだろ〜?って言っても
俺の子じゃないけどな。」

「シオンは何をすればいいですか?リムル様。」

「あ〜シオンは…そうだな、そのままで構わん。」


 そうですか。

としょげるシオンにミルは
多少オロオロとしたが、
まぁしゃーない。
諦めることにした。


「ミルは何かしたいとか欲しいものがあったら
すぐに言えよ?あ、思念伝達は使えるか?」

「思念伝達?」

「あ〜ミルの力で言うと、
アレだアレ。
エピシアだよ。」

「あ〜〜〜、出来なくはないけど…」


―告、エピシアをユニークスキル【思念】に変更することが可能です。習得しますか?


「(…お願い。)」


―了、エピシアをユニークスキル【思念】に変更。
成功しました。
ユニークスキル【思念】を獲得しました。
【思念伝達】を習得しました。
いつでもどこでも誰でも思念伝達を使用出来ます。


「…一応できた。」

「おお、」

『これで話が出来るか?』

『おお、こんな感じ?』

『そうそう〜やるじゃないか〜』

『嗚呼後複数人出来るって。』

『えっ嘘でしょ?ミルちゃん?』


 え?出来ないの?


―解、通常は一対一のみ使用できます。
ですがエピシアのユニークスキル【思念】を使えば
至近距離であれば特定の人間に対して会議が開けます。
その数現在は4名。


『わぁ、四人まで使えるんだって。至近距離限定で。』

『それ直接話した方がいいんじゃ…』

「とまぁこんな感じだ。」

「はわ…思念伝達作った人凄い。」


 まぁ別に凄くも無いかもしれないが。


「まぁこんな感じ。
此処に住むならそれなりの対価を
支払って貰いたいところだが…今は良い。」

「え」

「いや絶対お前に仕事を任せたら過労死する。
絶対する。間違いなくする。」

「しないよ?」

「本当ですかリムル様。」

「嗚呼間違いない。
だってお前、直感で脳を強制的にスリープモードにして
無表情で仕事し始めるだろ。それも気絶させない限り。」

「しませんが⁉」


 流石にするとは言えない。
口が裂けても言えないのだ。


どうしてここまで知っているのだ。


「だからある程度此処に慣れてきたら仕事を与えるから、
それまでのんびりしてくれよ。
今まで何処に居たのかも覚えてないんだろ?」

「え?あ〜えっと、個性を持った世界には居たけど。」

「あ〜なるほど納得。俺が読んだところまでか。」

「ん?」

「嗚呼こっちの話だ。とにかく、今日からよろしくな!」


 ってことで皆解散するぞ〜そう言ったリムルに、
ミルは部屋の中にちょこんと座り込んだ。
お風呂も入らないといけないが、今は眠みが勝った。


 今は寝てみよう。

そう思って目を閉じて、
部屋の隅っこに毛布を持ってきて
眠ることにしたのだった。




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