未必の故意



「…おもいっきりますね〜、この世界で
お偉いさんは怒らないんですか?」

「怒るわね〜一緒にいる事を前提だもの〜」

嬉しそうに笑っている所、侮れない女性である。
おほほほ、だなんて言っている割には
大分大胆な事をする彼女に、付き添いの人に同情をした。


「話はそうとして、貴方の過去は
知られても良かったから、あの場所で話したわ」

『考えている事本当に全部読んでらっしゃって助かります。』

過去は別に過ぎた事だから
傷付くかもしれないが、どうでもいいのだ。

だってその過去が私の軸になり
足となり、手となっているのだから。


「未来の事を、貴方は知っているのね。それも事細かく」 

『ええ、伊達にカードキャプターではありませんよ。』

時期で、不安になったりするのだ。
成績とか、勉強とか、恋愛とか?

そんなメンタルの時は
カードがある程度増えた時から
占いを心掛けている。

なんなら昨日占った結果が、あるのだ。
その記憶にリコルドが酷いと呟く

さて、と声が上がる音に小籠が目を向けた
此処までは過去のお話だ

小籠が見るのも、全て過去だった
しかし、ここからが本題


「今から伝えることが、貴方の未来よ。いい?」

ごくりと生唾が喉を通る音がした 


+++++++++++++++++++++++++++++


「通常であれば、一つだけなんだけど…」

『私本当に何でもしますからね』

予想以上に難しいのか、リコルドが頭をかきまくっている。癖か。

『寿命は』

「貴方が感じている通りよ。18歳で幕をとじるわ。」

やはり、そこら辺は決まり切っているのか。
早まる事もどうやらないらしく、この先で困る事

「良い話と悪い話が1つずつあるわ。どちらがいい?」

『悪い話で』

あら、そっちは分かり切っている事よ?
そう彼女が言うも、目の色が変わった



「貴方の大事な人がなくなるわ」

それは失う方?行方が分からなくなる方?
それとも、私が何処かに行く方?
恐らくどれでもないだろう。

大体把握はしている。
しかし、それは、それは、まだ。
まだ、良い話だ。

意外と持っている私にリコルドが
大丈夫そうで驚いたわといった
まぁ今までの記憶をたどれば、そう間違いないか
そう苦笑いにつられ小籠は笑った


「良い?貴方が考えている53枚のカードは無事に今年中に集まるわ。」

『っ!じゃあ』

「でも、代償が降り注ぐ。貴方が持っている以外も
対策を取らないと未来を変える事は不可能よ。」

持っている以外で、彼らを守る?
それは一体どうやって守るのだろうか?

「約束して。今ここで。」

"絶対に命と引き換えないこと"

記憶は、生きていたらなんとかなる。
周りはしんどくなるかもしれないが
全く問題ない位だと

『はい、と言えない自分が居ます。』

でしょうね、そうリコルドが呟く
恐らくこれから先も私は命を捧げないと
いけない程の厄災が待ち受けているらしい。


「知ってる?未必の故意って言葉。」

『みひぃつの、こぉいぃ?』

知らなさそうね。そう額に手をあてるリコルドに
小籠の脳内変換の低さに参ったのか首を横に振った

「危険を知った上で行くことよ」

どうやら彼女曰く、
私はこの危険認識がものすごく低いらしい。

どんなものかっていうと、
車で運転していると歩行者にぶつかりそうになる
その時に、「ぶつかるけど逃げるのが優先だ!」
と危険を分かった上で行うとても危険な行為だ


「貴方の場合、小さい事で言えば
此間オールマイトを助ける時の事かしら。」

八木がカードの誘惑に触れかけた時
小籠は自分の力がどうなっているのかを
分かった上で使用した。

抑える事は絶対に出来ないと。理解したうえでだ。


「貴方は何度でもぶつかる。その度に誰かに助けを求めて。」

その感情は、人が耐えれるものではない。
そう言い切ったリコルドに、小籠はうつむいた

今まで、彼女は、耐えてきたのだ。それでも。

『あの子が報われないんです』

私のせいで、あの子も、彼女も。
死んでしまった。

あの満月の夜、涙を流した、午前2時
時間を忘れられることはない
心のナイフで、突き刺したまま、彼女は笑って抱きしめてくれた


もう、我慢しなくていいんだよ。


そんな声が聞こえる。
聞こえない、ふりをする小籠に
リコルドは言っても無駄か、と考えた

「少なくとも貴方は特例の人間ね」

書類はまとめて先生に提出しておくから
そういった彼女は笑い、パチンと指を鳴らした


++++++++++++++++++++++++

「滅茶苦茶怒られてたな」

『ものっっすごく可哀想だった…』

こういう時は絶対使わないで!ってさんざん言ったじゃないですかー!!
そう常習犯なのか知らないが、秘書が泣いていた。
恐らく彼女が書類を書くのであろう…可哀想に。情報が少ない事だろう。

時刻は夜。ヴァラクと共に今日は食事をすることにしていた
梅雨ちゃんや麗日とも、と考えたが、彼女らは忙しそうで
声をかけるにもかけられず、と言った所だ。


「カードも、見つけてしまったしな。」

『毎回取れて笑えないんですよね。』

これ

そう手にしていたのはプログノーシス(未来予知)だ
どれ位先の予知なのか知らないが

『今までとったカードの中でダントツに使いたくないカードやで』

「あ?美味そうだな〜!俺のは!?」

無いよ。
そうそっけない態度で答えた小籠に対して
聞いてきた上鳴がブーイングを出す

その光景に、ヴァラクは「そういうことか」と
今日リコルドが発言していた内容を理解した


「そういや狼森はどこのインターンシップに?」

『私は参加しないよ?』

「あ?来てるぞ?お前宛」

は?そう素っ頓狂な声で返答した小籠に
リコルドが説明をした



























































《後書きスペース》