加速していく運命によせて



「えらく落ち込んでいるな」

『フク、』

ちゃんと許可取った?そういった小籠に
案外冷静に対応できるんだな。と満月の夜の下で
一人でお茶会をしている所見つけた

「どうした、こんな夜更けに」

『私ね、この世界で何かしたいって思ったの。』

皆、この場所では誰かが夢を持っている。
なのに私は何も持っていないのではと錯覚を感じる。
まるで、あの時の時間の様に

『無理矢理夢を作るんじゃない。
ヒーローというか、この世界としてのヒーローが
どういうものかを知る為にだから、免許は要らない。』

だからこそ、あの人に問われた。
これは、この機会だからこそ、私は

『フク、私ね。受けるよ。』

それは占いで、約束した小さなこと。

ーお願い、命だけは投げ捨てないで。

『私"この世界で生きていく"よ』

つまり、この世界にある厄災を請け負うという事になる。
ヴィラン以外にも、ヒーローたちは災害に戸惑われている
もしカードが暴れているとしたら、それはとても困っている筈だ。


『困っている子達を私が救いたいの』

麗日の話を聞いた
誰かは言えないが、子供を助けたと言っていた。
その時、感じたそうだ
自分が何かもっと出来なかったのかと
もう少し手を伸ばせば何かつかめたのではと

『私、次に向かうよ。』

そう言った小籠に、フクはため息の後ついてこいと一言言った

++++++++++++++++++++++++

「邪魔するぞ」

うぉおっ!そう驚き同じ動きで固まったのは

『オールマイト!デクくん!!』

「フク!それに小籠!何故ここに」

「扱い方は非常にこいつらを見ていた方が楽だ」

あっ楽なんですね?
そうぽかーんと口をあけて説明を聞く小籠に
フクがオールマイトに事情を説明した

「成程、力の使い方ね。」

「こいつ緑谷よりも馬鹿だから教師の相手には充分だぞ」

『待ってさり気なく酷い事いってない!?』

大丈夫。慣れてる。そう八木が笑って返した言葉に小籠がツッコんだ

「で、でもオールマイト」

「彼女達は私達の事を知っているし
頑張れば私達の過去も見れるだろうから」

他言無用は分かっているだろうけど。
そう改めて内緒のしぐさをしたことに、小籠は
フクと一緒に内緒のしぐさで返し同意した


『でもオールマイトとしての個性って、火力100%出したことある?』

「え!?」

「狼森さん知ってて!?」

うん。と言いながらここ、雄英敷地内の緑化地域での
小さな訓練場での地面に描く
彼の、というか緑谷の事を考えての事だ

『君らの個性は筋力UPでしょう。
筋肉ってずっと緊張していてさ、普通に力出ると思う?』

でませんね。
そう今度は緑谷がぽかーんとして口を開けている
彼女の的を得た説明が分かりやすすぎて困惑しているのだ

『筋肉は人は本当に力を出す時は必ず"前の動作"が大事になってくる。
オールマイトの仕事でもプロは必ず手前に時間があるだろう?』

すぐに出す、というよりかは出す前の時間を大事にしている。
それはスピードをだすなら猶更である。

『私も火力を思いっきり出す時はその時間を大事にしている。
一番誰にぶつけたいか。どうしたいのかをね。』

まぁ私の場合は魔力と感情のコントロールで力が大きくなる為
感情の起伏はなるべく大幅に上げるだけではないコントロールも
後々練習には入れていく予定だと、言う小籠に緑谷が
何処からかメモ用紙を取り出してメモを取り始めた。

こうなったら暫くなおらないよ、と呆れた八木に
小籠は何故か悪い事した気分になり、苦笑いをしてごまかした

「って言っても君に教える事って言ってもねぇ…どう出してるの、ソレ」

『カードの中身の事を考えるんです。
この子ならどんなことが出来るのかなって。』

水なら、大きな波を出す事は可能か?
泡の様なまくを張るには、どうすればいいのか。

水と言っても、人間の水分を補給できるのかとか
飲み物の代わりになったとしても、優しく包み込んだり
浮遊させることは出来るのかとか

『"普通だと出来ないけどこの子の普通は私が持っている"から。』

ー頑張ってればいつか報われるよ。

だから大丈夫。そう言ってた人を思い出す

『今では記憶を具現化する事だって出来る様になった』

「っ!いつの間にお前、」

そうエスカとバグを使い、人を作り出す
それにシャルが入り、音がカプットを入れて
さらにバグった何かのモニター画面に見えなくもない

ー、都佑、ごめんね、


『緑谷、私ね。ヒーローじゃなくてもっと大きな場所に入る事になったの。』

「え?」

『この力で、世界を救う話が入ってきた。』

その言葉に、緑谷だけでなく、八木が目を開いた

『今は日本での厄災だけだけど、恐らく世界各地で』

「君は、舐めているのか。」

この世界の現状を
そう怒っているのか、顎が引いている八木に
小籠は無表情で、そうかもしれないと呟いた


『私ね、この核が言ってるの。人を助けたいって。
私はずっと身体が弱かった。誰かに助けてもらうことしか出来なかった。』

ずっと。ずっと。ずっと。
だから、私は今度は誰かを救いたいの。
この子達と、ずっと生きていく。

それにはこの世界をもっと知る必要がある
そうして、最終的には


「神にでも、成るつもりか」

『すでに5人もいるよ?』


神をも統べる者に
お前はなるというのか。

その八木、否オールマイトの目に
小籠は目を細めて笑う


「私はあくまでも"ヒーローになりたい者"を教える身だ。」

『そう。フクの考えている事と違っていたようだし、』

帰ろうか。そう小籠がふわりと浮かび上がった後
緑谷は下を見た
あの瞬間で、時を止めたのか。

地面にはやせ細った今の八木と、緑谷が描かれていた
嬉しそうに、笑っていた


「ったく、あの子ら冷やかしだけか」

「オールマイト、良いんですか?」

ん?と八木が問う
それに緑谷は憶測だが、話を進めた


++++++++++++++++++++++++


「物凄く怒っていたな」

『知ってて言わせたでしょう』

さぁ?なんのことだか。
そう言ったフクに、私はそっぽを向いた

「あいつの意見と同意だ。まだ話を進めるには早すぎる。
あいつがお前を利用する可能性だって充分にある。」

組織というものは、そういうものだ。
そうフクの言葉に、小籠は仕事をしていた
昔の記憶を思い出して鼻で返答を返した

「そういや付き合っているのにあの態度良いのか?」

『お?付き合う予定ないんだけど』

そう言った小籠にフクが驚くが、その驚きは言葉ではなく
その小籠の透き通った目の色だった

ふわりと屋上におろしたフクに小籠が首を傾げた

「いや、なんでもない」

そう言って、消えたフクに、小籠はぼやいた


『…彼には荷が重すぎる。』

こんな厄災を持つ彼女なんて。
そう言って、私は下に降りた。




















《後書きスペース》