夢をまちがえたみたい

灼熱の森の中
私はずっと考えていた事をふと思い出した

『ーねぇ、私が全て変えたら、世界は全て変わってしまうのかな?』

その言葉に、少女は大粒の水を頬から落とし、笑った

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期末テストが終わり、林間合宿当日

「あれれ!?何で!?B組はA組より優秀な筈なのにあれれ!?」

とっても勘違いをしている男の子を横目に
合宿が幕を開けた

相澤「この後の日程だがーー」

「音楽流そうぜ!夏っぽいの!」

「飴いるー!?」

「いるいる!!!」

がやがやし始めた周りに相澤の眉間にしわが寄るのを
横から落ち着けと言わんばかりになだめていた少女

『まあまあ、落ち着いて下さい。どうせ先生の事ですから
この合宿もそんじゃそこらの高校生みたいなイベントで
済ます人じゃないんでしょう?』

狼森小籠。カードを全て集めた上に新しいカードを数枚
入手をする。個性は無し。

カードは小さなものを動かすものから自然災害級の物まで
様々な事を可能に出来る杖を持つ。

いわゆる魔法少女と言った所だ

相澤「んな事言ったってな、羽黒…」

『別にいいじゃないですか。
今のうちにはしゃげるならはしゃいでいたら。』

そうため息をつきながら背伸びをした羽黒を見て
そうだな。とため息をつき目を閉じる相澤に
後ろから葉隠が声をかけてきた

葉隠「ねぇねぇ!都ちゃん!お菓子いる!?」

『あ、うん。ありがとう。』

そうそっけない返しをしつつ、笑顔で返すと
嬉しそうにいいんだよ。と笑って返してくれた葉隠に
羽黒、否狼森は考え事に集中を始めた。


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時間は遡り、バスに乗る前日の夜8時頃
早めにご飯を食べた私はお風呂も全て済ませて
勉強も全て終わってしまい、何もない時にフクたちに声をかけられた。

「単刀直入に話す。お前はカードを作れる位まで魔力が高くなっている。」

『それはとてもまずい事なので?』

yesと言わんばかりの深い頷きに、ただ事ではない空気を感じ
少し体制を整え始めた小籠に話を進めだすフクロウの羽を閉じ
人間の姿になるフクに小籠は笑みを消した

「現段階で52枚のカードに加え、マクベスの箱庭のカードを手にしたな。」

『良くない、と呼ばれているんだよね。』

正直良くないといいたくない。
だってこのカードは

『(私のもう一人が眠っている証拠なのに)』

「そうだ。良くないと呼ばれている上に、厄災をもたらすまで言われる始末だ…が」

「逆に言えば、持ち主の感情を閉じ込めたといっても過言ではない。」

どういう事?そう都…否都佑が説明を求める
真剣な話に少々気が強くなる

「お前はその子をどう料理するかによって、この世界の崩壊が決まる」

『崩壊・・・』

「お前は神の域に片足つっこんでるって事だ」

そんな軽く言って…と都佑はうなだれたが、
そうそううなだれて終わっている場合じゃあない事位は察知していた。

「都佑。お前はそうその子を呼んでいるな。"お前自身の名前であっても"」

『…それがどうした?』

「何時まで"その子を犠牲者にするつもりだ?"」

その言葉に都佑は目を開き、剣を持ちフクの首元にあてた
その時間は音速に近く、瞬きさえも許さなかった

「まぁ待て。早まるな。」

落ち着きを取り戻すように説得をするフク

『どうしてソレを?』

少女を犠牲にさせても尚生きている事に気付いた

『フク、お前…どれ程私の心の中を盗み見ている?』

「…少なくとも、お前が幼少期の頃位は。」

酷くこの世界に似ていても、全く違う世界の、ね。
そんな声が聞こえた気がした都佑は首を横に振るった。
少女は今も尚、傍で寂しそうな顔を隠して笑っている。

まるでこの時間が、本当の様に。ふるまって。

「今回はその少女の涙を流さないように、かつ殺さないようにする事。」

『鬼ですかね』

カードの使用をする際、確かに時間短縮の為に
感情の起伏を高めるという点でこの"少女を毎回殺している"
怒り狂った方が案外冷静になると言うのは本当にあって、少女が笑って涙を流しながら
届きもしない手を繋ごうと伸ばしきったまま消えていなくなる瞬間が
ずっと心の中でループされるのだ。

その原動力を、殺せと言っているのだ。
普通にどうやってカードを発動させていいのか理解が出来ない。


「普通に魔力を込める練習をしろ。そうでないと…」

『そうでないと?』

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『(感情は前世に成り代わる…か、)』

私は、どうしたいのだろうか。

相澤「…よろしくお願いします…さん」

私は、どうありたいのだろうか。

緑谷「ちょ、狼森さん!!!」

私は、

『生きてるよ』

爆轟「あぁ???」

そう、生きてる。
そうじゃダメなの?
どうしてそうじゃいけないの?

相澤「フク…お前」

「ん?どうした?」

相澤「"あいつ"に変な入れ知恵入れただろ。」

「これは後々世界に影響する事だからな。」

相澤「は?」

麗日「都ちゃん!」

どうして君は

『…フライヤー、彼らの動きを封じて』

笑って芯の蔵を私に差し出せれるの?

『…ほんと、馬鹿。』

"私以外の人が笑えるのであれば良い"なんて
"たとえそれが、私が死ぬ事であっても"なんて

『君が笑っているだけで、良いのに。』

なのに君はずっと、笑いながら、泣いて、目の前で死んでいく。
それが私の"日常"になったのは

それが私の"通常"になってしまったのは

一体何時からなんだろう?

なんて

『答えは分かり切っているのにね。』

そう呟いて、杖を出し、ゆっくりと目を閉じながら杖を前に構える
左足を後ろにひき、前に右足を出す。
竹刀を持つように、意識を杖の先に集中する

『ー好きなんだよ、忘れられなくて、笑ってしまう程には。』

目を開き、くるりと回っている場所に杖を回し、声を上げた
その場所が時が止まったかのように、でも、カードになる瞬間
くるくると回った空気がカードの中に映し出された

「何が、起きたんだ?」

「それは?」

『…シノラ、だって。』

やおももー!と声を出す上鳴の声が遠ざかりながら
私はカードに記されていた風が壁に見えた

『…"境界"、だろうな。』

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新しいカード、シノラ。
透明のカードの中には風の壁にみえる。
別のカードと違うというわけでもない為、恐らく私が思った事をそのまま
感じ取ったものがカードに変化しているといった所だろう。

現在全員が合宿場に向かっていく所だ
私は私で、この状態を切り替えて行動していく、筈だったのだが…
どうやらカードがそう言う事を聞かない。

『どうしてこうも感情が豊かなのだろうか』

境界、今の現実と、過去の現実を見て欲しくないが為のもの。
これは戦争であり、残酷な現実を突きつけられること。
今はこのままで、どうかこのままで居させて欲しい。

だから、道の道しるべを作った。
このラインから、踏み込んではならない、場所。
来て欲しくない場所。そこが"境界"

知られたくない一方で、もうずっと前から悲鳴を上げているこの感情。
それに気づいていながらも、ずっと周りに知られないように
放置している私は鬼以外の何者でもないだろう。

とりあえず、方向は合っている筈なので、空が飛びたくなったが、
仕方がなく周りの大きな動物を大人しくさせながら前に進むことにした。

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《後書きスペース》