時刻は夜
「肝試しだああああああ」
そう騒ぐ周りに、泣きながら相澤先生に連れて行かれた
成績ギリギリ落ちている子達に、私は苦笑いで手を振った
「闇の共演…!!!」
『いや、大感謝セール待ったなしでしょ』
ツッコミがこい!なんて無理な話は知りません。
そうぼやきながらも、緑谷とペアになった私は
よろしくーと声をかけつつ、先に向かったB組の個性を思い出していた
『あれ?今日何日?』
「え?がっしゅく三日目だけど…」
大丈夫か心配された。私も心配した。
月が見えなくて…なんて、呟いていると、危機感を感じた
それに緑谷は気付いた
『…デク君、私、まだカード沢山作れるんだよね』
「え?」
『私生きるよ。君たちと折角つないだもの。』
「な、なにを」
まるでそれは
「ー待てよ!何でヴィランいるんだよ!!!」
お別れの様に聞こえて、
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時は同じく、相澤補修チームは…
「よぉ、プロヒーローぉ、可愛い生徒が心配か?」
「っ!!!」
火炎に巻き込まれながらも、幸いにダミーだったらしく
何も熱くなく、一体捕縛で仕留めようとしたが、泥で消えてなくなった
のも、束の間、背後に入ってきたことに気付かなかった
「なぁ、この中にあいつは居ねぇか」
「(あいつ?)」
すぐに捕縛し、人数を吐かそうとするが、何も言わずに話かけてくる
「あいつだよ、ほら」
ー個性の神様。
そう言った言葉に、一人の少女を思い出す。
最近は笑う姿も多く見かけ、困った表情で話す彼女は
日々成長しており、このままいけば良いプロヒーローになる。
そう確信を持っていたのだ。
そう、持っていた。
「可愛い生徒なら、守れよ。ヒーロー」
そう言って、捕縛に力を入れた相澤から、泥になり
また消えた事に強く舌打ちを打った
「せんせい!!」
「っ!お前ら、羽黒は!!!」
「え?羽黒さんなら…あれ?」
後ろにいたのに、いない。
その言葉に相澤は軽く言葉を伝えて、その場から消え、森に入った
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苦しい。
辛い。
悲しい。
時間が解決してくれるよ。
そう聞いたのは、一体何時の時だったか。
10歳?6歳?
それとも、
『私が、伝えた?』
灼熱の森の中、ガスの匂いも少し感じた気がした。
前にいた人達とはぐれたが、恐らくーーー
「ーおやおや、やはり君だったか。」
噂は聞いていたし、魔力的にも確実だったんだけど。
そう言ってきたのに背後を取られていた
動くと、切られる。下手に動くのは良くないと感じた。
「そう。良い子だねぇ〜ふむ。良いカードだね。ちょっとおいで」
『え!?』
「なっ!羽黒!!!」
そう触れたと同時に相澤先生が目の前を横切ろうとした
「おぉ〜王子様のおでましかな?」
『だめ!相澤先生!!この人から今すぐ離れて!』
かなりまずい。手首を握られていた力が強まり、彼の胸に入る
「おお、下手な事は言わせないよー?あと力は今使わせない。」
そういいながらカチャリ、と首元に冷えた物がふれた
「っ、」
「先に伝えておくよ。僕はヴィラン側ではあるけど、ヴィランではない。
この子の魔力に興味があるんだ。ああ、あとこの首輪、君が力を使うんじゃないからね?」
僕が力を操るものだから。
そう言った彼は手を横に切った
力がこもる。まずいと感覚が言う。
「嗚呼、そうそう…君の可愛い子は眠らせているからね。」
そう耳元で呟かれ、首の裏を舐められる
ひやっと変な声が出た
『っ、や!』
「ふふっ、可愛らしいじゃないか。そっちの方がとってもいいよ?どうして出さないの。」
え?出す?
『え?あれ?嘘…なんで!?』
感情が制御出来ない
「言ったろ?君の力は僕が使える様にしたって」
首筋が弱い事を知ったのか、指で優しくなぞってくる
それに声が出て、膝の力が抜ける
『ひぁっ、や、めて、やだ、ん、』
「てめぇ…」
「可愛い生徒を眺めるしかないのは困るねぇ〜?」
手で押しても力が入らず、胸にすとんと入ってしまう
ぐったりして息が荒くなった所を見計らい、成年は伝える
「この子は貰うよ。そうそう、攻撃しないのは正解だったね。」
君の周りは武器に囲まれている。
そう言った彼の胸の中で、私は手を伸ばした。
取ってくれない。でも、力はあったから。
小さな少女を思い出した。
たすけて
声にしていないのに、名前を呼ばれた。
都佑、だなんて。
貴方は呼んでくれなかったのに。
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一瞬だった
してやられた
緑谷を見つけて、説明をしようとしたら逃げられるわ
羽黒を見つけたと思ったらヴィランに捕まっているわ
しかもあいつ命令してきやがった
攻撃をするな、と。
「くそっ!!」
首元に取り付けられた銀色の首輪に見えるアレ
恐らく爆破装置は付けられていないとみた。
ただ、彼は言っていた
"自分の手で自由に彼女の力を操れる"と
それはすなわち、昨日や今日に見せた力を
いや、それ以上の力を出す事も可能。
ーやっ、ん!
甘い声が脳裏から離れない。
弱い所を漬け込み、尚且つ力も奪い
彼女の伸ばした手すらつかめられなかった
「…落ち着け」
俺のやれる事をやればいい。
助けに行きたいのは山々だが、
此処で無理矢理追いかけるのは合理的ではない。
それに今何人が捕まり、何人が生きているのかも分からない。
此処は逃げられた事を追うより、最善の動きをするべきだと
相澤は己に言い聞かせた。
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「ん〜にしても可愛い声だすねぇ〜」
『ちょ、此処どこ!?ねぇ、何してるの!』
放して!と胸に両手をあてて頑張って引き離そうとする少女、否女性と言っても過言ではないか。
胸のふくらみ具合からしても、ほぼ成人と変わらない。
まぁ…少し小ぶりだろうが。
「いやー可愛がるのは山々なんだけど〜ちょっと瞬間移動系のカードかこれ」
『え?そんなのなかったは…』
両手で口をふさいだ都に落ちそうな彼女を
勢いよく受け止めた
「ったく、危ないなぁ。君はもう捕まってるの。分かってる?」
『わからん』
ずっこけそうになったヴィランに、私は素直な回答をしたまでだ。
だって分からないもの。ここ何処だって言ってるでしょう。
「ここは日本だよ?」
『あーん!違うの!!そう言って欲しいんじゃなくて!』
まあ笑うタイミングは欲しいし大事だけど!
「ふむ、顔も悪くないから別に安心させるために後でビデオカメラは搭載するか。」
出来るのかよ。私のカード要らなくない?
そう感じたのだが、どうやらそれとこれとは別物らしい。
「ほら、君の心を殺せる材料が集まった」
『え?…っ!!!』
「都ちゃん!?」
「おー拾ったのか、ソレ」
「ああ、そっちは?」
「こいつだ。」
ほーと言いながら彼の胸の中にずっとすっぽりはまっている
都は力をなるべく使おうとするも、すぐに力が抜け、
身体から落ちないように受け止める
「おっと、まだ力を強めた方が良いか?まぁイキが良いのがいいんだが」
「ヴィラン向きに全く見えないんだけど…大丈夫?それ」
「安心しろ。こいつが一番恐れている現実をお届けする。」
そうすれば、全ての人間がこいつを恐れるだろう。
そう笑った顔が、誰かに似ていた。
記憶が、ずっと否定している。
核が動かないとは言ったことは事実。
この人が言っている事は嘘偽り全てない。
だからこそ、心配になるのだ。
少女が、都佑が眠っている。
まるで、死んだように。
すやりと、動かないのだ。
恐怖を感じた。
感情も自分で制御出来ず、隠していた言葉や感情があらわになる。
「良い顔してるねぇ〜お友達の前で、何も出来ない。哀れだね」
『っ!やめて!つy、皆に手、ださないで!』
手を思いっきり降るのも精一杯
魔力を使ってでも、この力。
まるで小学生の個性も覚えていない
握力も力も使い方を分からない程迄
「ん〜?どうしようかなーって言っても、合流しただけだからね。
君が一人だなんて寂しそうだから、二人目連れて行くだけだし。」
「させない!!!」
そう障子が手を繰り出すも、まばゆい光が一瞬開いた
その現実に、私は震えた
『う、そ…なんで?』
「ほぉ?リヒト、か。灯火にもなるし、目くらましにはもってこいだね。」
じゃあこれは?
そう宙に都を浮かせ、両手から力を操作させる
その行動に都は声を荒げた
『−っ!逃げてみんな!!!』
パチン、と音が鳴り、口が開く
『灼熱の、グルート』
轟々と燃え広がる大きな火の鳥に、都は目を開いた
どうか、避けて、そう感じながらー
視界が消えた
《後書きスペース》