ピンポーンと音が鳴り響く
「どぉもーピザーラ神野店でーす!」
『はーい!私おにぎり頼んだんですけど〜!』
「ちょっと!ピザにおにぎり何で頼むのよ!!!」
慌てるヴィランにてへぺろ?なーんて舌を出しておとぼけをかましていると
ヒーローが堂々とガラスをぶち破って侵入してきた
何処のヒーロー番組ですかね?今の番組本当に子供たちかっこいいって思う?思うか。思うのか?
「わーたーしーがー?きたーーー!!!」
「なんだ!?」
「黒霧!」
ゲートを作り出す瞬間、させまいとウルシ鎖牢(さろう)で拘束される
ヴィラン達に、都の背後にいたヴァラクにも捕縛が伝わる
「ぐっ、いてぇな!!」
『ヴァラク!オールマイト!!ダメ!この人に手をd』
そう言おうとした瞬間身体に力が入る
嗚呼、こんな悪夢、見たくなんてなかった。
これは、夢。夢だと言い聞かせた。
「名前で呼ぶのは、まぁ可愛らしいから良いとするが、僕も都佑ちゃんって呼ぶね?」
『(yes以外言わせないつもりだなこいつ)』
そうこくりと頷かされたが、致し方がない。
周りの人間に知れ渡られるの凄く嫌なのだが、嘘のネームって事にしてしまおう。
「拘束を外せ」
『バウム』
カードの使用が入り、木の根と木の根が絡み合う
「−っ!お前操って!!」
「口を塞いでも無駄だよ。操作は俺がやっている」
「なら神経を飛ばせばいい」
そう攻撃を食らわせようとグラントリノが足を上げるが
都のカードが拒む
『(ごめん、ヒーロー。口まで奪われたわ。)』
恐らく伝わる事はない。眉とか顔の表情はまだ生きているので
困惑した顔をしたら何となく伝わったらしい。
此方に危害を加える感情は一つもないのだ。
「なら彼女も抑えればいい。」
そう伝えたヒーローの言葉に、カムイが都の保護と同時に拘束をした
そこで大きな舌打ちをするヴァラク
「もう大丈夫だ、爆豪少年、羽黒少女。」
「ばっ、こ、こわくねぇ!よゆーだ!!」
そう顔がこわばりつつも、安堵がこぼれそうな顔に
私はほっとした。のも束の間、私は彼に伝える。
『ヒーロー、ごめんね。私は救われないの。』
「何?」
『私を本当に救ってくれる人は、何処にもいない。貴方でさえも』
私は、何度だって繰り返すのだ。
これは、単純な一つのピースがまた一つ、重なっただけ。
『あれは人間。私は余所者。』
目を閉じた。瞬間、
濃霧の所在地に既にヒーローが入っている
八方ふさがりに死柄木が悶える
『ごめんね。ヒーロー。罰は今度受けるよ。』
そう伝え、私は力を振り絞り力を使用した
自分の力で、自らヴァラクの傍に寄り添った
+++++++++++++++++++++++++++++
「大人しくしていろって、引石健磁、迫圧紘、伊口秀一、渡我被身子、分倍河原仁
少ない情報と時間の中おまわりさんが夜なべして素性を突き止めたそうだ。わかるかね?」
だが、彼らの名前の中に、一人、名前が挙がらなかった
そう、この人ヴァラクだ。
「逃げ場はないぞ、死柄木。あと、操るのも対外にしろ、ヴァラクとやら」
「うそだ、こんな…こんなことで、」
「…来るか。嫌だから先に行くか。」
『あ?私もなの?えーやだ。』
「お前、素にしては大分出し過ぎてないか?」
しりません。と言いながらヒーローに手を振った。
口パクで、"ごめんね"と呟いて。
消えたヴァラク達に、死柄木の背後から脳無が現れる
「エンジショット!黒霧は!」
「気絶している!こいつの仕業ではないぞ!!!」
「(…羽黒少女、君は)」
「シンリカムイ!絶対にはなすんじゃないぞ!」
「っが!」
「爆豪少年!?」
黒い液体が爆豪を包み込み、オールマイトが捕まえる前に消えた
その姿にオールマイトの否定したい現実の叫び声が広がる
「俊典、こいつぁ」
「ワープ等持っていなかった筈、対応も早すぎる!」
それに、羽黒少女が途中から自分の力で行動を示した気がした。
一体あの白い世界で何を読み取った?
何故奴の、ヴィランの手を取った?
優しく、間違っていないかおろおろしながら
質問をしてくる羽黒の姿を思い出す。
その姿が可愛らしく、安心した後の素直な喜びの笑顔が、ただただ綺麗で、
そんな彼女が、オールマイトの目の前で
少し寂しそうに、まるで
現実には逆らうことなど無理だと諦めたように、ついて行った
その顔が、余りにも寂しそうだった。
そうさせた、自分は、どうだ?
怒りが募る一方、速く救ってあげなければ
オールマイトは前に足を一歩だした
+++++++++++++++++++++++++++++
真っ暗闇から、声が聞こえた
「こんな体になってから、ストックも随分と減ってしまってね」
「ちょ、ジーニストさん!もし民間人だったら!」
「状況を考えろ、その一瞬の迷いが現場を左右する」
「ヴィランには、何もさせるな。」
「折角弔が自身で考え、自身で導き始めたんだ。」
真っ白になる位の、建物が一瞬で消えた
「出来れば邪魔はよしてほしかったなぁ。」
「っが、は!」
そうばしゃりと液体から出てきたのは、爆豪だった
その声に、飛んできていた都が反応する。
「お前…!」
『…ワンフォーオール』
「ああ、君が都…いや、継承者か。
あえて嬉しいよ、女神よ。記憶は、取り戻したようだね?」
『嗚呼、とても…気分が悪いけどね。』
「ヴィランには?」
『あいにく、状況次第って発言でいいかね?』
知らない。そう声を出してそっぽを向けた都に
爆豪は声を上げそうになったが、
ワンフォーオールと呼ばれた奴の気配が強く声がうまくでなくなった
それでも軽くあしらうように、話をした都に
疑問しか抱かなくなった
「弔、失敗はあるものだ。次につなげよう。だから私がいる。」
そう手を伸ばす瞬間、都は一度向けていた顔をまたそっぽ向いた
手のひらに浮かぶ、小さな箱を眺めながら、ヴァラクの肩に頭を預けた
「させない!!!」
そうワンフォーオールと爆豪の間にオールマイトが空から割り込んできた
ヒーローの特選番組ですか?違うんですね。あーい。
「…成功って事でいい?」
『大失敗って所でなら良いよ。』
「大分慣れ過ぎてない?」
『いや慣れって良い事じゃん?』
そう呟きながら、オールマイトとヴィラン、否ワンフォーオールが戦う姿を見る
すると、逃がそうとワンフォーオールが個性を強制発動させ、黒霧の
個性で周りのヴィランを飛ばした
「爆豪少年!!!」
『…しょうがないなぁ〜』
目を瞑り、思考をめぐらす
「…今回は許そう。」
助けようとオールマイトが動くも、
「させないよ!」
ワンフォーオールが止め、死柄木たちに
爆豪を逃がすように誘導させようとしたその時
『せんせー!空から人が!』
「なんだと!?」
「っ爆豪!」
「羽黒さん!!」
来い!!そう叫んだ切島、そしてやおももに
爆豪はにやりと笑い、ヴィランの手から飛び出し手を掴んだ
「っ馬鹿が、」
「っ!羽黒さん!!」
伝えてこい、そう伝わった。
ああ、残酷なお知らせなこと。
『…』
翼を広げ、私はやおももの元に飛び出した
一度喜びを一同広げたが、すぐに私は伝えた
『いけないよ。』
「え?」
+++++++++++++++++++++++++++++
『私は、君たちの手を取れない』
本当は取りたかった。
手を取って、安堵して、ヒーローに迷惑をかけたくなかった。
「でも!来てくれて、」
『イレギュラーが降ってくると思って、ね!』
力を使用し、ヴィランの手を振り払った
高度が下がることに、爆豪が手を取れと伸ばす
いや、とろうとしているのだろうか?
嗚呼、こんな体験させてあげたくなかった。
『ごめんね』
とれない。そう心の声で呟き、呪文を唱える
『シュツルム、加速させてあげて。お願い。』
力を加え、加速が始まる
泣きそうな顔が見えた
笑ってあげなければ、笑って
安心させたかったのだ。
行ってしまった事に、少し安堵し、私はヒーローの救いを全て拒否した
こうでもしないと、いけないと感じたのだ。
私は、人間ではないのだから。
《後書きスペース》