刀剣ショートストーリー
×××太鼓鐘貞宗A
長くなったので分割しました。
@の続きです。
コロン。
「「?!!」」
戸の動きとは反対に、姫の背中が目の前に転がってきた。
目撃した方も、転がった方もなかなか一言目が出てこない。
ーーもしかして、、姫ずっとそこに居た?
なんで…
「…足が痺れました。」
「…へ?」
「足が痺れました。」
「?」
正面に回って膝をつくと、床に転がったままだった姫が突然体を起こし、そのままの勢いで太鼓鐘を抱きしめた。
顔は見えない。
でも、その手が震えていた事は分かった。
「足が痺れたんじゃねーの?」
「・・・・・・・痺れたのです」
「姫…すまねぇな」
「…本当に思ってますか?
……私は、怖かった。
貞ちゃん消えちゃうのかと思った。
宝石だけ残して、
もう一緒に居られなくなるのかと思った。」
「宝石?」
離れた姫の手の上には、いつも衣装に下がっている飾りが一つ。どうやら繋げている金具が外れてしまったらしい。
「駄目なの。これは貞ちゃんを飾ってないと…」
「昔は、あんなに欲しがってたじゃん。
それとも、もう、要らなくなっちゃった?」
「……要らない。」
ーーあ、、、要ら、ないか…。
…思ったより、その言葉は、キツイな…。
「私が欲しいのは貞ちゃんだもの。」
「……は、?」
「宝石一つじゃ足りないの。
私は貞ちゃんが好きだから。」
「ちょっ、ちょっと、待って!姫!
だって、俺は刀剣で、付喪神でっ!」
「私は、そんな理由で諦めたくない」
『あの子を誰の子だと思ってるんですか?』
ーー確かに。
主。その見解に間違いはない。
でも、、俺も大概みたいだ…
顔を上げた姫と視線が交わる。
その瞳には、照れとか、恥じらいというものではなく、信念のような強い意志。
片手を飾りを持つ姫の手の下に添え、乗っている飾りを片手で摘み上げる。
「姫。もう、迷わない。俺、、
姫を守り続ける刀になる。
姫が俺を欲しいと想い続けてくれるように」
「俺も姫が好きだからさ!」
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後に姫は親元を離れて、今度は審神者として本丸を抱える事になる。しかし彼女は一つだけ他の本丸と違う事があった。
彼女の傍に居る初期刀は、太鼓鐘貞宗。
賑やかに。派手に。
みんなを巻き込んで笑って、そして、
いつも、いつまでも一人と一振りは共に
歩み続けるのだった。
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長くなったので、分割しました。
もう少し長くなりそうだったのは自重しました。(笑)
太鼓鐘くんはきっとこんなうじうじな子では無いだろうなと思いながらも、思い悩む事があっても良いかなと。
だって大切な人のことは悩むものだから。
彼はキラキラな宝石みたい。
そんなイメージ。
2023/08/02(BACK)