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「おい、恵。新しく入った夢だ。」

「伏黒恵です。よろしくお願いします。」

呆気なく、二年になって、一年と顔合わせ。
今年は本当ならもう一人いるはずだがまだ来てないとのこと。
そして、今いる一人の伏黒君。
真希ちゃん達は認識あるけど、私は無いからなぁ。

「伊神夢。よろしくね。」

「はい。」(あ、この人常識人だ。)

あ、なんか。伏黒君の心の中が読めたような・・・。


「伊神先輩は、術式なんですか?」

「・・・ええと、因子操術って言ってね・・・なんて言うんだろ、原子を操る的な?」

「あぁ。」

理解してもらえたようでなにより。

「伏黒君は・・・上層部とか、好き?」

「・・・嫌いです。」

そっか。

「お揃いだ。私ね、一般家庭なの。だから、他の皆とはやっぱり違うんだなぁって思う時がある。まぁ、当たり前なんだけどね。」

「そうですか。」

「・・・伏黒君、よろしくね!改めて。頼りない先輩だけどね。」

「いえ、あの人達よりはマシです。」

眉を潜め、真希ちゃん達三人を見つめる伏黒君。
・・・尊敬されてない・・・。


「でも、良い人達だよ。」

「でも、尊敬は出来ませんね。」

「あははっ。・・・五条先生、大丈夫?」

ちょっと、気になってた事。

「仕事押し付けてきますし、中途半端で困ってます。」

ははっ・・・。

「変わってないなぁ。」

「まぁ、五条先生ですから。」

「だね。」



 


「おい、恵!夢!そっちで話してねぇで来い!!」

「手合わせすんぞー」



 


「だって。行こ。」

「はい。」



虎杖悠二の登場まで、あとほんの少し。



◆◆◆◆



「へぇ。恵君、今。宮城に居るんだ。そっかぁ・・・お土産買ってきてくれるかなぁ。」

「能天気だな、お前。」

まぁ、そっか。宿儺の指の回収だもんね・・・。

「特級呪物ってそんな凄いの?」

「それはな。呪霊がウザウザ寄って来るよな。」

「こっちからすれば迷惑この上ねぇ話だ。」

「しゃけしゃけ。」

へぇ。恵君ったら、そんな嫌ぁな仕事、五条先生に押し付けられちゃったかぁ。
生きてると良いな・・・。

「あと、ちょっと・・・。」

本格的にすべてがスタートする。
あぁ、どうしよう。

私、大して原作知らないんだけど。
しってるのなんて、



これから、大変な事が起きるって事と、虎杖悠二が主人公で、




 



死人ばっかり出る話だってこと。
それぐらいしか知らない。

死にたくないし、死んでほしくない。

・・・さくらと真央も生きてるといいな。



「・・・どうしたんだ?考え事か?」

「!・・・何でもない。」

そんなに考え込んでたのかな。
声を掛けられ私は勢い良く頭を上げた。

「そんな元気なら大丈夫そうだな。ま、悩みあったら言えよな。仲間なんだし。」

・・・言えたらどんなに楽なんだろうなぁ。


「うん。」

「おい、さっさと手合わせすんぞ。」

「あ、うん。」

真希ちゃんに呼ばれ、駆け足で真希ちゃんの元へ走る。

「夢。お前・・・術式、結局どうするんだ?」

「あ・・・五条先生とも相談して、普通に・・・これからも応用を頑張っていくことにした。今は、重力について勉強中。彼岸花の逆バージョンみたいに、上げられたらなぁ。」

「物か?」

「うん、便利なんだけれどね。」

「呪具運ぶのに良さそーだな。」

ははっ・・・絶対よく入ってるなぁ。


「真希ちゃんは、これからどうしてくの?」

「んなの、呪具を今より扱えるようになって、体術も磨くしかねぇだろ。」

呪力ないもんね・・・。
あれ、私。
随分と無責任な質問をしたのでは?

「気にすんじゃねぇよ、夢。」

考えてることが伝わったのだろうか。
私は真希ちゃんの顔を凝視した。

「顔に出てんだよ。」

「わっ」

私は顔を手で覆った。そんなゆるゆるなのか、私の頬は。抓ってやった。


「あ。そういや、手合わせ。」

「完全に忘れてたな。」





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