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「え、私が、一級ですか?」

「うん。」

「え・・・。」

何故??

「これまでの任務で割と審議されてたんだけど、今回の交流会が決め手ね。」

はぁ・・・。
一級かぁ。

「実感ないですね。」

「因みに目標は?」

「死なないと・・・・いいなです。」

それ以外に何があるのだろうか。
それに・・・あまり目標を高くし過ぎても苦労するのは私だし。

「夢はさー、もう少し。上を向いてみない??」

「向上意識を上げろ、と?」

「そうそう。夢、所謂悟り系だよねー。」

悟り系??

「違うと思いますよ。」

「じゃあさ、これノンフィクションなんだけどさ、給料上がるけど、何に使うの?」

「・・・生活費と貯金です。」

「それ!!買い物行かないの!?」

そっちの方が実用的でしょう。
てか給料上がるんだ。他の人に渡せばいいのに・・・。

「じゃあ先生は何に使うんですか?」

「えー、僕は目には言って欲しくなったもの全部買ってるよ〜。」


えっ、


「無理です。一時の感情で物を買うとか苦手です。」

「悟りレベル高くない??」

・・・・そうなのかな。



そういや、

「さくらと真央、元気ですかねぇ。」


元気だと・・・いいな。


「・・・元気なんじゃな〜い?」

「だといいですね。」

「そういや、丁度一級の夢にプレゼントがありまーす!」

え・・・嫌な予感・・・。

「いや、いらな・・・」
「はい、任務のプレゼントね。大丈夫、一級案件だから。よろしくねー!」

やっぱり。
そもそもおかしかったんだ。
担任から外れた五条先生がわざわざ私の昇給を報告しに来ることが。

はぁ・・・。

「資料下さい。」

「ありがと〜」







「っ・・・」
 
こんなの話に聞いてないし
どうしてこんな事になっちゃったんだろうなぁ

「え〜、呪術師弱くな〜い?」

ケラケラと笑う呪詛師。
私、初めてなんだけど、対峙しちゃうの。

「名前何ですか・・・。」

「えー、呪詛師の名前聞いて意味あんの?アンタ、死んじゃうのに。」

なんだそれ。ふざけんな。

「あ、今なら一瞬で殺してやるよ〜」

なんでこうもね、
私の運命は可愛くないんだろうか。

「私、死なないよ。」

「・・・・は?マジで言ってる?」

当たり前じゃん。

「今の私の目標、生きることなの。それしかないから。」

「現実味たっか。」


死にたくない、なんて。
でも、本当に私は死ぬわけにはいかないんだよ。
神様にまで力を使ってもらったんだ。
無碍には出来ない。

「奇跡でも起きないと、勝てないのにねぇ。神頼みでもしといたら〜?」

「神様の助けはいらない。もう、要らないから。」

私一人で、勝たなきゃ意味がない。


「っ・・・うざ。・・・じゃあ、死ね。」

「いっ!!」

首に巻き付けられる術式。痛い、苦しい。

「ハハッ、生意気な口聞くからこうなるんだよ。死ね、死ね。」

死にたくない。

「・・・しに、たくな、い。」

「はぁ?何ソレ、生意気。死ねばいいのに。」

まだ、やってないもん。
五条先生に言われた買い物も、やってない。
パンダ君達と約束した食べ放題もまだ言ってない。
生き物もまだ生きてる。
植物はまだ途上発展。

なのに、なのに。なんで私が死ななきゃいけないのかなぁ。
死にたくない、まだ。
なんで、どうして?

「ふふっ、じゃあね、雑魚呪術師。」

一層と首へと力が加わった。

あぁ、死ぬんだなぁ。




『ねぇ、夢さ。前世でも私達、多分巡り合えると思うんだよね。』

『何縁起でもない事言ってんの。』

『ふふっ。・・・ねぇ、夢さ。なんでもかんでも、直ぐに諦めないでね。』

『・・・何ソレ。』

『約束だよ?』




病院で交わした最後の約束。前世で一番好きだった。最愛の親友との約束。
ね、桜。どうして、私を置いて行ったの?通り魔に逢った時、本当は、やっとって、思った。
やっと、逢えるんだなって。

でもね、私、甘えてたみたい。
桜は難病で、いつ死ぬか分かんなかったのに、ずっと生きて元気になって私と出かけるって、高く高く目標を掲げてたもん。
なのに、私。



ずっと、達成できなかった時の事を考えると、怖かったんだ。


『もう逃げるのはやめにしよう。』

因子操術・桜


 

術式がバラバラと分解されてく。成功してよかった。

「私の術式は、因子操術っていってね、原子を操ることが出来るの。」

術式の開示。

「っ・・・。」

「今のは、原子を分解した。」

現状の限界がどうした。乗り越えろ、そんなの。
高く高く高く。私の目標は、

「あんたを殺して、私は生きる!!」

「・・・諦めろ、アンタには出来ないさ。」

笑う呪詛師。
構わないよ、笑ってろよ。でもね、

「諦めろ?そんな言葉知らないね。私の辞書にはないみたい。」

「ウザッ・・・。」

呪術がまた私に纏いつく。

「私ってさ、リアリストって言われるのよ。私には分かる、アンタの実力は私に劣ってるよ。」

だから、何?勝手にしろ。

「でも、正直同情はしてるよ〜?五条悟に任務押し付けられた挙句、死んじゃうなんて。可哀想。しかも君。超色々背負ってるじゃん。楽にしてあげる❤」

背負ってる、すっごい重い、大切な親友を背負ってる。
でも、それが悲しいだなんて思ってない。だって、あの子との思い出は、全部楽しくて美しいから。

楽しんでるよ。あんたのちっぽけな同情に付き合う気はない。

「馬鹿言え。私は、死んで楽になるなんて思ってない。」


今なら、分かるかも知れない。
神様がわざわざこんな世界に私を連れて来てくれた理由。

「ふっ、ホント可哀想。」

「私はこのまま燃え尽きても恥じることのない生きざまだって、大声で言える!!じゃあ、アンタは?どうよ、言える?」

収まらない、感情の高鳴り。
前進あるのみ、

「・・・足掻いて、バカかよ。」

「足掻くよ。足掻いて足搔いて足搔いて、何が悪い?」

足掻き続ければ、つかみ取れるはずだから。

「っ・・・。死ね!!」

臆する事なんてない。
寧ろ、強い強い風が、私の背中を押してくれてる。
逆境の嵐だって、恐れるに足らず。

私よ、強く、清くあれ。

「因子操術・薔薇。」

「っ・・・!!」

まだ、まだ死ぬわけにはいかない。

絶対、生きてやる!!!!!

「・・・



因子操術・彼岸花。」

「・・・・っ。」

重力を術式で抑えた。

「因子操術・桜。」

同時で使うのは初めてだなぁ。頭が痛いし、息も上がってる。
術式の使い過ぎで死にそうだな



「因子操術・ゼラニウム」



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