チャイムを鳴らす。
「・・・夢ちゃん。久し振りね。」
「真央ママ・・・。お久し振りです。真央、呼んでもらえますか?」
「分かったわ。」
はぁ、怖い。凄く怖い。
「・・・夢。」
知ってた、分かってたのに息を飲んだ。
「真央。」
「っ・・・!!なんで、なんでアンタが生きてるの!!さくらは、さくらはあんな死に方だったのに、アンタだけ、逃げて!!生きて!!なんで、アンタが死なないのよ!!死んで!!!!」
はは・・・友達に罵られるって、案外辛いなぁ。
さくら、そんな悲惨な死に方だったのかな。
「・・・。」
「黙りこくってないで、なんとか言いなよ!!アンタが間違えたから!!さくらは・・・!!!!」
胸ぐらを掴まれる。
「・・・うん。でも、それは・・・わたしたちの全部を否定することになる。」
そう、言って貰えたから。
神様に転生させてもらったのも、今世の私が二人と友達になったのも、呪術高専に来たのも、全部無駄なわけがない。意味があるはず。
じゃなきゃ、私はここに来た意味がないだろう?
「・・・っ、なによ、それ。」
「元気そうで良かった。じゃあ私、行くね。」
あぁ、イヤな雰囲気だな。
でも、元気そうで良かった。
「・・・ばいばい。」
「・・・ごめん。怒鳴ってごめん、分かってた。本当はちゃんとわかってた。アンタが命を張って私達を逃がしてくれたことも。ちゃんと、分かってる。でも、どうしても抑えきれない感情がある。」
うん、
「本当は許してる、ただ今はね、まだ、感情の整理がついてないから、」
うん、
「あのね。もう会えないかもしれないの。」
「え・・・。」
だって、
「私、あの化け物を倒せる才能があったんだってさ。だから、あのバケモンを倒す職業に就く事にした。」
「そしたら、アンタまで死んじゃ・・・。」
「大丈夫!
絶対、諦めないから。」
「・・・っ。変わったね、
やっぱり、アンタがやった事、間違いなんてなかった。全部、意味があったね。」
「うん!」
お互い涙が溢れる。
これから起こるであろう何かをまた、感じながら、
未来へと歩こうと思う。
◆
「さくら。久し振り、暫く来れなくてごめんね。」
さくらのお墓の前。
私はゆっくりと目を閉じ、手を合わせた。
「・・・はい、お花。」
お花を供え、お墓の横で、私は座り込んだ。
「ねー、さくら。もしかして、アンタってさ、桜だったりする?」
「・・・そうかもしれないよねー。ってなると神様、私の一番の願いを汲み取ってくれてたねぇ。本当は税金も平和もいらない、桜だけ居ればそれでいい。
・・・ま、死んじゃったケドネ。記憶取り戻して一日で!!」
「うん。でも、私。少し変わったんだよ?悟り世代の代表みたいな私がさ、諦めない。だなんて、バカかっつーの。でも、その馬鹿さが良いんだね。私ったら、忘れてたみたい。」
「今度は、お互い同じ世界に生まれ落ちなくても、恨みっこなしね。」
心地よい風が流れる。
「・・・夢ちゃん。」
「さくらママ。」
「久し振りね。」
「はい。」
「ありがとうね、会いに来てくれて。」
「いいえ。」
さくらママはゆっくりと私に近付いて行き、桜のお墓の前で一礼して、手を合わせる。
「・・・綺麗なお花。なんていうの?」
「ゼラニウムです。」
「そう。」
「じゃあ私は行くわね。」
えっ
「良いんですか?」
「えぇ。だってあなた達、まだ話し終わってないでしょう?話足りないわよね。」
「・・・ありがとうっ、ございます・・・。」
温かくて、優しい世界。
あれから一時間私の身で起こった事を話し続けた。
「桜、ずっと親友だね。
さくら、ずっと親友だよ。」
立ち上がる、
「ね、さくら。もう帰るね、また来るよ。
あ、そうだ。知ってる?
ゼラニウムの花言葉ってね_____。」
back
.