03





「ははっ。呪霊ホイホイかよ。」

当たり前か。
私しかここら辺で生きてる奴いないし、私、大声出しちゃったし。


でももう。対処法は知ってる。


「因子操術・彼岸花。」

一斉に大きな重りが降ってきたように潰れる呪霊。
なんでだろうなぁ、凄く。


私の体が私みたい。


ずっと感じてた違和感が、無くなったみたい。
私の体じゃ、無いはずなのになぁ。



「・・・終わった。」


彼岸花を繰り返し、周りには何も居なくなった。当たり前か。



「じゃあ、他の人。救いに行かないとな。」

神様がさ、転生先間違えたんじゃなくて、

私を、わざと。この世界に落としたのなら。



会った人全員救うってのが、筋道だよね?









もう居ない君への、かけ言葉。


「桜。私は、君が一番の親友だよ。桜に似た人、居たよ。もしかして・・・とかあるのかなぁ?じゃあ、私。さくらの事、逃がしてよかったな。」



「Jdtmtjpa」

居た。

「邪魔。私の生き抜く道に、アンタは、要らない。」

___因子操術・アロエベラ。



しなしなに、水分を抜かれ。干からびている呪霊を踏み。私はまた一歩前へと進んだ。








新しい私の、新しい日常へと。








「え?、人!?ちょ!!アンタ、死ぬっすよ!?」

死ぬ、か。


「私が、化け物を沢山、殺めてここまで来たと言っても?私は、死んじゃいますかね?」

「もしかして・・・!!」

「分からないんです。いきなり、変な。記憶に無いはずの呪文を唱えて。これまで見えなかったものが見え始めて。化け物たちは血を撒き散らして。」

「こっち来て下さい!!私は、新田明っス。」

「私は、伊神夢です。」

「夢すね。今日から?見え始めたのは。」

今日から、だよね。
今日から、転生したし。

「はい。今日の朝、ぼんやりと見えて。で、この騒動でハッキリと、見えるようになりました。」

「そうっすか・・・取り敢えず、私についてきて貰うっス。あなたには高専でされて貰いますから。」

「分かりました。」

やっぱ、家帰れないかぁ。

「潔いっすね?」

「もう私。あれに追われて意味も分からず祓った時から驚かないんですよねぇ。感覚、多分麻痺っちゃいました。」

「結構な重症っすね。・・・フランス人形みたいに、綺麗っス。」

「ははっ、知ってます。母が、女優なもんで。」

「もしかしてあの伊神美里っすか!?」

有名だよなぁ、お母さん。

「はい。そのもしかしてです。」

「そりゃぁ、美人っスよね。」

ははっ。というか、

「もう大丈夫なんですか?化け物は。」

「えぇ。ある程度減りましたから。私と貴方くらい減っても大丈夫っすよ。まぁ、東堂君達も居るし。」


東堂・・・??
桜にも聞いたことないキャラだな。

「良かったです。私、友達を私より優先して逃がしたんです。生きてるかなぁ、さくらと真央。」

「へぇ、格好良いっすね。」

「そんなんじゃないです。ただ、私よりを生きて欲しいって思って。二人を押して、自分だけ呪霊と追いかけっこしました。」

「追いかけっこ?・・・まぁ、見た感じ擦り傷くらいしかないですし。反転術式は必要ないっすね。あー、でも。擦り傷でも、跡残ったら嫌っすよね。美人なんですし。」

気遣い上手だなぁ。

「別に。私、自分の容姿に拘ってないので。」

初めましてして一日のこの体に愛着もクソもないが。


「あ、居ました。・・・伊地知先輩。この子、見える子っス。保護しました。」

「ほ、保護されました。」


なんかめっちゃ苦労人に連行された。

「おや、君が噂の子かな?」

なんかセクシーな人きたぁ・・・。

「私は冥冥。よろしくね?」

うっわ、笑顔もセクシーとか反則。

「あぁ、はい。伊神夢です。なんか、見え始めて、祓えちゃいました。」

「呪霊・・・化け物に対しての記憶はないんだろう?」

「はい。物心ついた頃から何が見えたとかそういった記憶はありません。」

「不思議だなぁ。・・・五条に後で話しておこう。伊地知くん、夢をよろしくね?」

「あ、はい!」

いっや、目の保養。桜が行ったら泣き叫んでたんだろうなぁ。

てか、服に返り血が・・・早く着替えたい。


「あのぅ・・・服、返り血が酷くて・・・。着替えたいんですが・・・。」

「着替えは持ってる?」

「えっと・・・はい!!持ってます!!」

私の慎重さにここまで感謝したことはないな。


「へぇ、珍しい。」

「私、神経質・・・というか、慎重すぎて、服零しちゃったら〜なんて、考えると替えを持っていきたくなっちゃうんです。」

「ほぉ。私は、まだ。やる事があるからお暇するけど。また話を聞かせておくれ?」

「はい、勿論。」

いっや、最後までセクシーだったな、あの人。



「じゃあ、高専に来てもらうっス。」

「はい。えっと・・・何県、ですか?」

「あぁ。郊外ですけど、一応東京っすよ。そんなに遠出はしません。」

京都じゃなくて良かったぁぁぁ。


「はい、行きます。」


今、何が起こってるのか分からないけど。

私は、私が逃がして二人が生きてくれてる事を願います。





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