深夜二時の紅茶
深夜二時に目が覚めた。
山のそばのアパートは、よく冷え込む。
なにか暖かいものを飲もうと、電気ケトルのスイッチを入れた。
ゆっくり、ごぽごぽと音を立て始めるケトルを眺めながら、ぼんやりと思考する。
(どうせ起きたなら、仕事のストックでも作っておくか。資料も確認しておきたいし)
ごとん、と上階から足音がする。ベッドから降りたような音だった。
(ケトルがうるさかったかな)
まあ、そこはアパートだ。多少の音はご勘弁願いたい。
(それでも、まぁ)
こんな夜中でも、人の気配が感じられると少しほっとした。どんな人が住んでいるかも知らないけれど、それでもほんの少し、助けられていると思う。
カチッと音がしてケトルが止まった。
少し考えてから紅茶を淹れる。砂糖はふたつ。
私は色んな茶葉を揃えるのが趣味で高級なものも飲んでみたりしたけど、結局地元の農家さんが個人的に売り出してるものが一番のお気に入りになった。
あたたかい飲み物はいい。
深夜の孤独も、朝への憂鬱も、ひとりで溶かしていくには、私はまだ弱すぎるのだ。
さて、このまま朝まで起きていようか。
もう一眠りしようか。
やっぱり少しだけ悩んで、PCを起動する。
私のゲーム仲間なら、何人かは起きているだろう。むしろこれからが、彼らの時間だ。
(終わらせたいアーカイブもあるし、手伝ってもらお)
明け方まで遊んで、ふらふらになって、そのまま出勤するのがダメ人間らしくてちょうどいい。
仕事は仕事の時間にやれば、それでじゅうぶん。
2023/10/28
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