ごちゃ倉庫
◎無題
2012-1-9 16:41
ボクと結婚してお嫁さんになってよ!
思えば。
…始めからヤツはおかしかった。
パーフェクトなはずの人間なのに。
先輩の紹介で紹介されたヤツは、俺より二歳も年下の男で。
家が大きな会社を持ち、長年続く華族の家元でもあり、政界のどんと繋がりもあると噂されている人間だった。
華族、とか家元とか。
平々凡々な俺からしたら、その名前だけでぶったまげるほどだ。
頭もきれるらしく、将来はほぼ約束されている、大物。
そんなヤツは、顔も気持ち悪いほど整っていて、俺の周りでもよく噂にのぼっていた。人間って不公平だな…と思った。
実際、会うまでは。
「いますぐボクと結婚して、お嫁さんになって欲しいんだ」
…はい?
ガッチリ握られた手に、何かを期待するような、熱すぎる視線。
お互いに名前を言い終わった後の突然のヤツの行動に、目をパチパチと見開く。
数秒の間。
先にうごいたのは、ヤツだった。
「だから…ね…、僕と結婚して、お嫁さんになって欲しいんだよ」
「俺、男、ですけど…」
しかもわりと身長高いし筋肉だってある。
どこをどうみても女には見えないはずなんだけど…
「君が男だなんて、百も承知だよ…」
「へ?」
「こんな色っぽい腰やお尻…ものすごく僕好みだから…ね…」
男はニコニコと笑いながら、俺の腰を支え、尻に手を回す。
ぞわり、といやな汗が伝う。
俺…まさか狙われてる…
焦る俺をよそに、そいつはニコニコと表情を変えず
「僕と結婚してよ…」
とのたまった。

