タイプ:表裏一体型
台詞【僕と結婚して】
御曹司×平凡

思えば。
…始めからヤツはおかしかったんだ。
何もかも。
出会いも、あいつからの視線も、あいつの言葉も。
すべて。
始めから、おかしかった。


「はじめまして…」
先輩の紹介で紹介されたその人は、俺より二歳も年下なのに、随分大人びた男だった。
眼が飛び出すほどの資産家の御曹司と聞いていたから、どれだけ嫌味で派手な成金野郎がくるんだろう…と身構えていたのに、拍子ぬけするくらい、人好きするようなフレンドリーな笑みを浮かべていた。
タイプでいうと、穏やかな癒し系。

家は長年続く華族の家元でもあり、父親は政界にも裏の世界にも繋がりもある、とんでもない凄い人。
先輩からはそう聞いていたのに、その人は全然そんなイメージなくて。

第一印象は、とても穏やかに笑う、優しそうな人だった。



俺と御曹司である彼との接点は先輩だけ。
本当だったら、到底巡り合うこともない、そんな間柄だった。

『お前に会いたがっているやつがいるんだが、紹介してもいいか?』
てっきり、合コンのお誘いとか、彼女の斡旋だと思っていた俺は先輩の返事に軽く答えたんだけど。会うことになったのは、とんでもない金持ちの御曹司だった。


穏やかで、優しそう。
それは、見た目だけじゃなく。
会って話してみても、金持ちだからと鼻にかけることもなく、話し上手であり、話題がつきなかった。
彼と交流を持ちたがる人は多数存在したが、そんな人間を無視し彼は俺の隣にいたがった。
俺にだけ優しくし、俺だけに甘かった。
その特別が心地よくて、俺は何故、彼がここまでしてくれるのか、ちゃんと考えることはなかった。

時折、ほの黒い狂気じみた視線で俺を見つめていることに、気づいてはいたのに。
相手は御曹司。
欲しいものはなんでも手に入るし、俺なんかにそこまで興味ないだろ…なんて、かるく考えていた。
ちゃんと考えていれば、途中で未来は変わったのだろうか。
彼の狂気じみた本性が途中でわかっていれば、捕らわれることもなく、普通の人生が歩めたのだろうか。


御曹司は、博学で頭もいいようだった。


今まで生徒会やら部長やら、常に上の立場に立っていたようでここぞという決断力もある。
そんな彼に父親は多大な期待を寄せているようで、次期後継者間違いなしと噂されていた。

顔もいい。
頭もイイ。
性格だっていい。
人間って実に不公平だよな…、欠点なんかないじゃん。そう思っていた矢先だった。



「いますぐボクと結婚して、お嫁さんになって欲しいんだ」
あいつ…御曹司が俺に求愛し始めたのは。
ガッチリ握られた手に、何かを期待するような、熱すぎる視線。
突然の御曹司の行動に、その時の俺はただ目を瞬かせることしかできなくて。
これが現実のことだと理解するのに、数秒を要した。

「あ、あの…?」
「ああ、ごめんね。興奮してしまって…。
だから…ね…、僕と結婚して、お嫁さんになって欲しいんだよ」
「俺、男、ですけど…」

わかっているでしょ…と、ヘラりと笑い茶化してみるけど、御曹司の視線は真剣そのもので。


「君が男だなんて、百も承知だよ…」
「へ?」
「こんな色っぽい腰やお尻…
ものすごく僕好みだから…。
あいつに写真で見せられた時から、僕の目には君以外映ってないよ。
君以外の人間はゴミ捨て場に投棄されたゴミと同じように見えるんだ。
君だけが完ぺきで、君だけが僕の一番だった。
君だけが僕をこんなに狂わせる。
もう何度君の裸を妄想し抱いただろう。脳内の君はいつもボクに抱かれよがるんだ。もっともっと…って。もっと、ボク色に染めてって強請るんだよ」

うっとりとした光悦した顔に、やばい…と脳内の警笛が鳴った。
妖しい空気をまとった御曹司から逃げようとした俺の腰を御曹司は強引に引き寄せて、そのまま尻を撫でまわした。

ぞわり、といやな汗が背を伝った。

焦る俺をよそに、御曹司はニコニコと表情を変えず


「僕と結婚して、お嫁さんになって…」
そう甘美な撫で声でいい、俺の頬に口づけた。
 


******
(告白を断り続けた場合)


「っは…」

艶めかしい、まるで女のような鼻から抜ける色っぽい吐息。
こんな声、出したくないのに…
声は俺の意思とは裏腹に、口から零れてしまう。

がっちりと四肢を組み敷かれ、逃げ出す事は出来ない。まるで標本になった気分である。
身動きができない俺を、御曹司は感情のないうつろな目で見つめていた。


どうして…
なんで…
穏和だった御曹司が…。
どうして…。

「や…めろ……」

息も絶え絶え吐く言葉は弱弱しい。
抵抗なんて、ほぼないに等しかった。

御曹司は俺の足の間にかおを埋め、一心不乱にソコを舐めている。


チュル…ピチャ…ピチャ

卑猥な音をわざと立てているのか…

御曹司は丹念にそこに舌を這わせる。御馳走のように、おいしそうに、すべてを舐め上げるような舌にビクビクと身体が跳ねる。
巧みな舌技で、もう何度とない射精を強制させられる。


「…ん…ぅ…は…」

ー僕と、結婚してほしいんだ…

「…あう…う…」

ー絶対、君を幸せにするから…

「…は…あ…ぁ…っ」

ーいますぐ結婚して。
そうしたら君の望みをなんだって叶えてあげる。

なんだって、君の願いを叶えてあげる。

僕が全て叶えてあげるから。

だから…
結婚、して。


優しく笑い俺に尽くした御曹司を、無下に断り続けた。
御曹司の気持ちを裏切り、拒絶した。

これは当然の報いなのか……。

優しかった御曹司の優しさに甘えた、罰なのだろうか…。

ただ…俺は…

俺は…

「あ…あぁ…」

チュルチュルチュル。
ピチャピチャ…。

ピチャ…ズズズル…


「いや…だ…ぁ…」

御曹司に全て吸い取られそうな強い口の吸引に、堪えていた涙が溢れ、快楽が混じった嬌声が落ちる。


「んああああ…っ」
悲鳴に似た声とともに、射精してしまった。
御曹司はソレをまた一滴も零さないように吸い上げる。
まるで、極上のジュースでも啜っているかのようにジュルジュルと音をたてて。

俺のソコから、顔を離そうとしない。


「ーはっ…あ…」

射精したばかりなのに、刺激を絶えず送り続けられ、俺の身体はずっといきっぱなしのような状態になる。
小さく身体が痙攣しているようで、全身が性感帯になっていた。

気持ちいい…
でも…苦しい。

生き地獄だ。



「ー○○、」

御曹司の名前を呼ぶ。

だけど、御曹司は俺の下肢から顔を離さない。
絶望に似た声で、何時も何時も呼んでも…


「ー○○、○○!」

もう、御曹司の瞳に俺は映らない。


御曹司の指が、俺のアナルの淵に触れる。
そのまま指に力を入れて、そこを開き、御曹司は舌を差し入れた。


「い…あ…あ…」

くちゅ…くちゅ…

熱い…熱い…


内部が熱い。
御曹司の思いが、そのまま身体を蝕むよう。
舌だけじゃなく、唾液すらも入れられている。
ぐちゅ、ぐちゅ…と、俺を侵食していく。

どちらのものかわからない白濁が、ベッドを汚している。
もう何時間、こんなことをやっているんだろう。
あとどれくらいすれば、俺は開放されるんだろう…?


「ー○○!○○」

嗚呼御曹司。

御曹司。

俺は…


「ああっ…」


ただ…お前と対等になりたかっただけなのに…


契約なんか関係なくて

お金なんか関係なくて

ただ、お前を愛したかっただけなのに



なぁ、どこで間違えた…?


どこで、こうなったんだ…?



「ー○○○○○」

御曹司が俺の耳元でなにか囁いた。


けれど…


もう、俺の耳には入らない…。


☆昔に書いたものをリメイクしました。
元のお題は、ボクと契約してお嫁さんになってよ!某魔法少女です。


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