冷えた風がふく
さらさらと砂が流れていく気配もなく
夜の海は ただ 大きく口を開けて待っている
飲み込まれそうでこわいね と私が言う
帰ろうか とあなたは答えた
握った手のひらの渇き
波間から遠ざかりながらも
以前として海を見つめている

私は知っている
この身体の内にも同じ真っ黒な海が
渦巻いていることを