綱海と電話とあけまして
※会話文のみ
※原作後軸
「……もしもし」
『よっ凪沙! あけおめ!』
「おめ……なに、いまなんじ」
『そりゃ0時ぴったりだよ! もしかしてお前寝てた? 声寝てる』
「ねてたわ……」
『俺は年越しの瞬間ジャンプと同時に通話ボタン押したぜ!』
「なんてめいわくな……」
『まーまーいいじゃねえか。今年もよろしくな、凪沙』
「……ん、今年もよろしく」
『年始にそっち行きたかったぜー。徳弥おじさん元気か?』
「ん。そっちの伯父さんと伯母さんは?」
『おうよ、ご覧の通り!』
「見えんわ。伝わるけど」
『俺ァこのまま朝まで起きて、海で初日の出見てこようと思ってさ』
「真冬に徹夜でサーフィンなんてしないでよ」
『さすがにしねーよ。あ、あとで写真撮って送ってやるよ』
「おー、いいね。待ってるわ」
『でもやっぱ、ちいとねみぃなぁ……』
「そりゃそうだ。仮眠取ったら?」
『やー今寝たら起きられるかどうか……』
「だろうなぁ」
『と思って眠気覚ましにこのまま通話し』
「巻き込むな。こちとら健康的に睡眠取ってたんだよ」
『まま、少しくれーいいじゃねえか。あ、もしくはいい頃合いに凪沙が鬼電して起こしてくれんなら仮眠も』
「だから巻き込むなって。自分でアラーム掛けろ」
『あの音全然起きらんねーんだよなぁ』
「知らんて……あー、もうお陰さまで完全に目ぇ覚めた」
『よせやい』
「礼言っとらんわ。ったく、どうせ起きたらそっちに挨拶で電話掛けるってのに……」
『なんだよ、そんなに俺からの電話は不満か?』
「それこそ言っとらんわ。ド深夜に掛けてくるなっつってんの……」
『とか言ってよ〜なんだかんだ律儀に電話出て、途中で切ったりもしねえんだよなお前はよ〜ホンット可愛いヤツだぜ』
「……っさい」
『ツッコミにキレがねえのは図星の証拠だろ』
「眠いだけ」
『完全に覚めたとか言ってただろ』
「夢じゃないの」
『お、そういやなんか夢見たか? 初夢初夢』
「さあ、忘れた。ってか初夢って元日から二日にかけてじゃないの?」
『ん? そうなのか?』
「いや、なんか色々説あるんだっけ……? まあどうでもいいや」
『そういやよぉ、円堂たちは元気か?』
「あー、有り余ってるよ」
『そんなら良かったぜ! 初詣とかよ、あいつらと行くのか?』
「あーそういう話も出てたね。ま、とりあえず秋ちゃんとは約束してるけど」
『おー木野も元気か! あの頃は知らなかったけどよ、そういや天馬のヤツが親戚なんだってな』
「そうそう。なんか奇縁だよね本当」
『キエン』
「いやいいわ」
『初詣な〜。昔こっちで一緒に行ったことあったよな』
「あーそういやね。条介くんが大吉が出るまで三回くらい引き直してた」
『そんなことあったっけ?』
「ま、条介くんはあれもこれも忘れてそうだわ」
『んなこたぁねーよ。あの日は凪沙が俺らからはぐれてよ〜、このにーにが見事見つけ出したこととかあったな!』
「で、二人揃ってしばらく迷子んなったね」
『? そのへんは知らねえな』
「なんて都合のいい記憶力だ……」
『よせやい』
「褒めとらんわ。っていうかずっと気になってたんだけど……あの時さあ、なんで私のことすぐ見つけられたの?」
『ん? なんかよ、絶対凪沙はこっちのほうに行った! って思ったんだよな。ま、お前のことなんて俺にはお見通しってわけよ!』
「……ふーん」
『あん時二人で食った焼きそば、すげー旨かったなぁ』
「ああ……あれね、私も」
『ウチで作るやつとよー、カップ焼きそばと出店の焼きそばってなんか全部違うよな』
「あーわかるわかる。例えば屋台のやつ食べたい時にカップのやつ出てきてもなんか違うんだよね」
『な〜! はーなんか腹減ってきた。ちょっと食ってこようかな』
「こんな深夜に? 不健康〜」
『食べ盛りの中学生男子にのみ許される行動だな!』
「はいはい」
『あー凪沙がいりゃあな〜なんかうまい夜食でも作ってもらえんのに』
「起こすなよ絶対。次泊まった時。絶対だからな」
『つれないこと言うなよ。お前も一緒になんか食おうぜ。夜食ってのはなぁ、こういう真夜中に食うからうまいんだよ。あれ、背徳の味ってやつ』
「遠慮するわ」
『じゃ、次の機会だな! あーあ、俺も円堂たちとまたサッカーしてえなぁ〜』
「そうだね。春休み入ったらそっちに行くか条介くんがこっち来るかって思ってたけど……」
『そっち行くのもいいかもなぁ〜! アイツら普通に春休みも部活やってるだろ? 飛び入り参加ってのもいいよな』
「いいんじゃない。円堂たちも喜ぶよ……条介くん、眠くなってきたからそろそろ切るわ」
『おう、そっか。そんじゃおやすみ』
「ん、おやすみー」
『たくさん寝ていい夢見ろよ!』
「うるせーわ」
back
topへ