綱海と電話とプレカ

※会話のみ


「もしもし」
『よぉ〜元気にしてっか凪沙!』
「あーうん……まあまあ……何、どうしたの急に電話なんて」
『いや何、お前がいつの間にか有名人になってっからよ』
「は?」
『近所のチビっ子にサッカー好きがいてよォ、なんつーの? 今はプレカとかいうのが流行ってるらしいじゃねーか』
「は、ちょっと待ってまさか」
『それ見せてもらってたらよォ、見知った顔と名前の奴がいるってんで驚いたぜ! お前いつの間にサッカーなんて始めたんだ?』
「ばっ……」
『にしてもこの写真、相変わらずむっすりしてんなァ〜。つーかカメラ目線でもねーし。せっかくなんだからもっと笑えって!』
「ちょ、なんで手元にあるみたいな口振りしてんの」
『ああ、せっかくだからな、貝殻バッジ豪華版で手打って譲ってもらった!』
「あ……り得ない捨てて……ってか誰にも見せてないだろうね」
『ああ、身内とご近所にしか見せてねーから安心しろ』
「げっ……」
『まーま、んな恥ずかしがんなよ! こっちは皆久しぶりにお前に会いたがってるんだ、顔ぐらい見せてやろうぜ!』
「最悪……」
『そうそう、チビっ子たちもお前に会ってみたいって言ってるしよ、今度またこっち来いよ』
「いやなんでチビっ子たちまで私を認知してんのおかしいでしょ」
『俺の従妹だっつったら皆興味津々にしてたぜ』
「はぁ〜〜〜……もっ……ほんと……馬鹿野郎……」
『だからそんな恥ずかしがんなって! よく見りゃ結構いい顔して写ってるじゃねーか』
「顔じゃなくてそもそも……はぁ、もういいや」
『そーそ、そんなもん海の広さに比べたらちっぽけなことじゃねーか!』
「相変わらず海好きだねえ……」
『お前もだろ? こっちは今日も良い波が出てるぜ』
「あー……いいねぇ。羨ましいわ」
『そっちじゃなかなかできねーもんなぁ』
「ま、サーフィンはできないけど色んなものあるよ。ありすぎるくらい。たまにはこっちにも来たら」
『おっいいな! シー連れてってくれよ! ディズニーシー!』
「言っとくけど、海の中にあるとかじゃないからね。あとしばらくは大会あって無理だから」
『お、例のサッカーのか? じゃ凪沙の勇姿でも見に行ってやるか!』
「や、そもそもマネージャーだから」
『あり? そうだっけか?』
「カードに書いてあんでしょ……」
『マネージャーかぁ、まっ頑張れよ!』
「ありがと……そっちも高校生活どうよ。流石にもう慣れたか」
『そりゃあな! お前も最後の中学生活エンジョイしろよな』
「んー……まあ、部活も受験もあるし、楽しむ暇あるかわかんないけどね」
『ん? サッカー部は楽しくねーの?』
「……まあ、楽しくないことはないよ」
『だろ! 面倒くさがりなお前がマネージャーなんてやってんだ、楽しくなきゃ続いてねーよ』
「……うん、そうだね」
『おうよ!』
「ねえ、そういやさ」
『ん?』
「条介くんはサッカーに興味あったりしないの?」
『サッカー? んー……まあ、きっと面白くねーこたぁねーんだろうけど……やっぱ俺ァサーフィン一筋だな! こいつより楽しいものには出会えねぇだろうよ』
「まー……そうだろうねえ」
『なんだ、どうした?』
「や、なんていうか……条介くんがサッカーしてるところ、簡単に頭に思い浮かべられた……気がして」
『そうかぁ?』
「んー……や、いいわ。やっぱなんでもない。気のせいだわ」
『そうか』
「ん。それじゃ、そろそろ夕飯の準備するから切るよ」
『おう! そんじゃ、近々そっち行くからよろしくな』
「は!? ほんとに来んの!?」


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