綱海と電話と情報収集

※会話のみ


『おーっどうしたどうした! ソッチから電話してくるなんて珍しいじゃねーか』
「久しぶり。ちょっと聞きたいことがあってさ」
『おう、なんだなんだ? 今日はいい波が出てるかって?』
「聞いてない」
『今年のサンマの値段か?』
「そっちの値段聞いても仕方ないでしょうが」
『おっとうとうこのにーにに勉強教わる気になったか!』
「その可能性が一番ないかな。あのさ、"炎のストライカー"って聞いたことない?」
『ねえなぁ、これっぽっちも。なんだそれ?』
「だろうなぁ……条介くんだもんなぁ……」
『んだよそれェ』
「じゃあ、悪いんだけど周りの知り合いとかにもちょっと……できれば今日中に聞いてみてくれない?」
『なんだ、随分急いでんなぁ。あんまし急くといい波にゃ乗れねェぜ』
「あんまり時間ないんだよね」
『よくわかんねーけど大変そうだなァ。でも、その炎のなんちゃらがどうしたってんだよ』
「ストライカーね。沖縄にそういう奴がいるって噂があるらしくて。そいつがもしかしたら私らのなか……知り合いかもしれなくて」
『あ? "私ら"って……』
「お願い、条介くん」
『……ま、お前が俺に頼み事なんて滅多にねェからなぁ。しょうがねェ、可愛いイトコのために一肌脱いでやるよ!』
「ん、ありがとう。助かる」
『言っとくが、あんま期待はすんなよ。俺ァそんなやつ一回も聞いたことねーんだ、皆が知ってるようなら俺の耳にも入ってるはずだからな』
「や、それはどうだか……条介くんサーフィンのことしか考えてないからなぁ」
『アッハッハ! 違えねェや!』
「相変わらずだねぇ。それじゃ、一旦切るから」
『おうよ、また後で電話するわ』
「はいよ、じゃあね」







「もしもし」
『よォ凪沙! 例のやつ調べてきたぜ!』
「ほんと? で、どうだった?」
『ああ、今年のサンマはな……』
「御託はいいから」
『つれね〜なぁ。残念だが、収穫はほぼナシだ』
「そっ……ほぼ?」
『ああ。なんかよく知らねーが、炎をまとったボールに助けられたっつー奴がいてよ。詳細はまったくわからなかったけど、やっぱ多分沖縄にそいつがいるんじゃねーの?』
「……わかった。ありがとね、助かったわ」
『そんでよぉ、お前もしかして、』
「あ、ごめん、出発の時間だから切るよ」
『あっオイ待てって、』

──プツッ

「……ほんとに切れちまった……結局あいつ、今何してんだ?」


back
topへ