フィガロとキュート
※会話のみ
「カエルだ」
「カエル好きなの?」
「特には……ははは、でもちょっと仕草可愛い」
「フィガロ先生とどっちが可愛い?」
「いやジャンルが違うので……というかフィガロさんは可愛いよりかっこいいじゃないですか?」
「ああ〜……きみまでそう言うのか」
「可愛いって思われたいんですか?」
「うん」
「そうか……」
「前に南の皆で、魔法舎の魔法使いたちがキュートかシックか話し合ったんだよ」
「皆フィガロさんをシックに分けたんですね」
「そうなんだ。ねえ、きみなら誰をキュートに分ける?」
「ええ……リケくんとか、ミチルくんとか? でも、かっこいい時も可愛い時もあるかなぁ」
「かっこいいフィガロ先生には、可愛い時はないの?」
「いやあ……そもそも年上の方に可愛いって、場合によっては失礼かもしれないし……」
「いいからいいから。俺は可愛いって思われたいんだから。きみにとっての『可愛い』って何? 年下の子以外で」
「うーん……リケくんやミチルくんのような、わかりやすい『可愛い』ってあるじゃないですか」
「あるね」
「それとは別に、隙があるところも、可愛いなって私は思います」
「隙、かぁ……例えば?」
「えー……例えば……ネロさんが初めて買った調味料を味見してみてウゲッてなったり……ミスラさんが眠りたそうに抱き枕抱えてうろうろしてるところとか……ブラッドリーさんが胡椒を見るとびくっと避けるところとか……」
「もしかしてきみちょっと嗜虐的なところある?」
「心外ですが。とにかく、フィガロさんは何でもさらっとできるし、要領も良くて心も広いから、可愛いじゃなくてかっこいい印象になりがちなんじゃないですか?」
「いや、そんなことはない。俺の心は激狭だよ」
「取り繕う場所が致命的にミスってるんだよなぁ……ああでも、」
「?」
「そういうのは、ちょっと可愛いです」
「えっ? どういうの?」
「可愛いって思われたくて必死に色々頑張ってるところ……とか」
「へえ……ねえ、もう一回、もう一回だけ言ってみて」
「ええ……なんかやだな」
「そう言わずに」
「えー……そういうのは、ちょっと可愛いです」
「ん、フフッ、いや〜いい響きだな〜気分がいいよ!!」
「急に可愛くなくなりました……」
「ええ!?」