めったにお目にかかれない、高級カップアイス。蓋を外し、さらに一枚ぺりりと剥がしてから、硬くなめらかな表面をスプーンの端でなでつけ、線を一本。

「ここから半分こね。こっちが綱吉の分だよ」
「うん!」

 各々のスプーンで自分の分を掬っていく。キンと冷えたそれはまだ硬くて、ほんの少しだけ削れた分を口に運ぶと、とろける濃厚な甘さと夏にちょうどいい冷たさに舌が痺れた。

「んーっ!」
「ん〜っ、んふふ……おいしいねえ」
「おいしー! ねえ、この黒いのなにー? 食べれる?」
「これはバニラビーンズだよ。アイスが美味しくなるやつ」
「へー!!」

 綱吉も私も早く続きを食べたくて、硬い面を必死につつく。その様子が我ながらおかしくなってきて、それから無性に愛しくなって、思わずくすくすと笑みが溢れた。







 ──あんなうまいものをさぁ、一人で食べ切ったっていいはずなのに、分けに来てくれるなんてスゲーって、オレにはできないって思ってたんだけどさ……。
 幼き日の幼馴染を思い出す。たった一つ年上なだけなのに、なんでも知っていて、美味しいお菓子を笑顔で分けてくれて、オレよりもずっと大人びて見えていた。
 ──こういう気持ちだったのかなぁ。
 オレの秘蔵バニラアイスを嗅ぎつけ、こちらを折れさせることに成功したランボは、ガキ特有の丸くてでかい目を、それはもう零れそうなくらいキラキラさせていた。最初は嫌だったしマジかよと思ったけど、やわそうなほっぺにアイスを夢中で詰め込む姿を見るのは、なんていうか、そこまで悪い気はしなかったんだ。

「ツナぁ! おかわり!」
「半分こっつったろ! もうないって!」

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