Epilogue
「はートト子ちゃん、怒ってないかな」
「怒ってんでしょ」
「げえっ!」
「もー、だからお詫びの品献上しにいくんでしょ、おそ松兄さん」
マスクを顎に引っ張った一松に即答され、荷物持ちのカラ松が持つ紙袋を指差すトド松に呆れられる。おそ松は渋い顔で後頭部を掻いてから、「でもまあ……トト子ちゃんに会えるってだけで楽しみなんだけどねぇ〜!」とテンションを一転させ、目にハートを浮かべた。
「ま、それだけじゃ足りないって言われそうだけど〜!」
「僕たち妙な態度見せて、誰かさんは妙な相談持ちかけたらしいし、そのくせまともに詳細話せなかったからなぁ」
「これに追加って……七人でショッピングの荷物持ちとか? 役得じゃ〜ん!」
「ナイストド松……ヒヒッご褒美だ……」
「カラ松兄さんがマグロ一本釣りするから勘弁してほしーなー!」
「じゅうしまァつ!? そっちの方が勘弁過ぎるが!?」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながら道を進む。ふと、一人足りないことにおそ松は気が付いた。振り返れば、数メートル後ろで彼の友人がどこかの家の塀から覗く木を眺めていた。それは何の変哲もない身近な木で、細い針葉に白い雪が積もっている。
「トキ!」
後ろ歩きをしながら声を上げるおそ松に呼ばれ、トキはぱっと顔を上げる。長男の声に反応した他の五人も、流石は一卵性の多胎児。シンクロするように同じタイミングで振り返った。
「早く来いよ、おいてくぞー!」
軽く手を振って、にっと笑うおそ松。トキはそれに呼応するように小さく笑みを見せる。それから所々に雪の積もる地面を蹴って、首に巻かれた白いマフラーを靡かせながら走り出した。
「今行く!」
────拝啓、私の友人、ミスター・松野の野郎どもへ。
Mr.Pine
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