「でも、前も思ったけどさ……紅葉は器用だ」
器用?彼を見上げると、宝を狙うハンターみたいなギラついた瞳だったのでビクッとする。
「俺が盗賊時代だったら、仲間に入れたいよ」
俺はそんな器用に霊力をあやつる技術は無いからと笑う彼に
いやいやと謙遜して首をふる。
「逆に、そこしかないよ!!霊力を扱うのが少し得意なだけで
霊力の量もそんなに多くはないからね」
だからこそムダにできねぇとごちれば、ふふっと彼は笑った。
「さて、お互い知りたいことは知れたし……そろそろ帰ろうか」
小さくうなずく。その後は普通に学校や最近の流行っているニュースなどを話して
家につく前の別れ道までいつものように歩き、別れた。
別れ際、面白かったからまたいっしょに帰れたら帰ろうという彼に
少し気恥ずかしい気もしつつ、でも色々と知りたい好奇心には勝てずうなずけば
そうだ、と付け足すように次よければ植物園に行かないかと誘われた。
もし興味あるなら、LINEしてと念を押されて別れる。
別れ道から徒歩5分。その間どうやって帰ったのか覚えてない。
帰ったあと、行く行かないにしても返事を返さないといけないと悟り
頭を抱えたのは言うまでも無い。
あんな美少年と豚が歩いていたら、彼に迷惑がかかると
行かないと返事をしようとした矢先に、彼からもし行くなら
魔界の植物の種を見せてあげるよと言う言葉にのせられ
好奇心に勝てなかったバカはこちらです。
バカか私はとベッドを転げ回っている姿を弟が冷ややかな目で見てそっとドアをしめた。
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彷徨いアリス