「いやっ……どこに植えたかとかじゃないでしょ!?
あっ…まぁ、突き詰めればそこも気にはなるけども……。
でっでも…まずそれは人間界で栽培して大丈夫なの!?」

生態系とか、ひっ人を襲ったりとかと小声でアタフタしだす少女に
蔵馬は一瞬目を丸くした後、すぐに噴きだした。

「ぷっくくっ……ほんと、紅葉は見てて飽きないな。
俺がそういうヘマするわけないだろ?」

私だけ聞こえるように囁いた声の色っぽさにクラッとしつつ
でも、と言葉を続けようとしたら唇に指をあてられ静止させられた。

「いつか……もし魔界の植物を使う機会があったら見せるさ」

魔界の植物。きっと地面を突き破るほどの太い根っことか奇声をあげる花とか
とんでもないものなんだろう。だって武器用として持ち込まれているんだから。

怖い植物に人が次々と襲われる絵を想像しながら青ざめる。
見たら最後、たちまち食われたりして死んでしまうかもしれない……ああ、でも……。

小さく唇の端が上がる。心臓がドキッとはねた。

「いつか…みてみたいかも」
こうしてまた好奇心に殺されるんだ、とどこか遠くで自分が警告していた。

119(189)
back
彷徨いアリス