「おぬしは確か…」
掠れた声を何とか絞り出して問えば
レティシアよと苦い顔で少女が返した。
その顔は覚えてないのかと非難の色が滲んでいたので
子供をあやすように、コエンマも苦い顔ですまんと呟いた。
何とか青年は身体を起こして当たりを見渡す。
何者かによって車が爆破させられたことを思い出す。
森の中で爆発したので、一歩間違えば山火事だったなと焦りを覚えたが
火薬の量が調整されていたのか、大破した車の周りが少し焦げ付いた程度で済んでいた。
これが森中に飛び火していたら今頃目覚める前に煙にまかれてたなと
顔がひきつる。その間も少女が駄々をこねる子供のように腕をひっぱってきた。
「ねぇ……説明しなさいよ!!
いったいこれはどういうことなの!?」
「おぬっ……レティシア嬢は知らないのか」
腕や足をさすり、折れていないことだけ確認し青年は
グッと痛みをこらえて立ち上がった。
近くで転がっている運転手の無事を確かめて安堵する。
176(189)
→|
back
彷徨いアリス