「ただ、元は哀れな傷ついた魂じゃ。本人が望むのならば
わしも無理に魂を消したりはせん」
あくまでも魂の消去は最終手段と述べた上でコエンマは
本当に何も知らないであろうレティシアに協力を仰いだ。
まずレティシアだけ催眠をかけなかったのは絶好のチャンスだ。
兄の優しさ、もしくは彼女が幼いと油断していたからなのかも知れない。
しかし、この好機を逃すわけにはいかない。
まずレティシアには何事もなかったように自宅に戻り
兄の動向や出来れば紅葉の様子も確認して報告して欲しいと
一見女児向けの玩具にしか見えないペンダントを青年は渡した。
「このボタンを押すとわしに通話が行くようになっている。
わしがとれない場合でも、録音機能がついているので
このままペンダントをつけたまま、報告をして欲しい」
ただし危ない場所には一人で近づいたり勝手に行動をするなと釘をさし
レティシアの首にペンダントをかける。
「紅葉を誘拐し、監禁しているのはもう分かっておる。
時期を狙い、わしらが一気に強制突入させてもらう!!」
その時に紅葉を保護すると息巻くコエンマにレティシアは
兄とアタシはと小さく呟いたまま、うつむくことしか出来なかった。
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彷徨いアリス