そんな昨日の出来事を思い出していると家族がいつものようにテレビをつけた。
行儀は悪いけど、朝御飯を食べながらニュースを見てその日の話題を知るのが日課となっている我が家。

『小学生をおそう不思議な事件が起きています』

ぼんやりと学校だるいなとか思いながらパンをもぐもぐしていると
テレビの向こうから淡々と、しかしどこか真剣な表情で訴えかけるアナウンサーにハッとした。
思い出すのは、昨日戦った赤い鬼の男。確か幽助に聞いた剛鬼ごうきという妖怪だ。
食事中だった家族も、怖いだとか物騒ぶっそうだと思い思いの言葉を口にして画面を見つめる。

『同じ地区の小学生4人が原因不明の昏睡こんすい状態になり、病院に運ばれる事件があり…警察では調査を急ぐ一方付近ふきんの住民に注意を呼びかけています』

「またなのか……物騒になったもんだな」
「そうね…。紅葉ちゃんとしゅうくんも気をつけなさいね?」

心配性な母親の声に、あきれたように返事する弟と私。

「柊はともかく、私なんてもう高1だよ。大丈夫だって」

あいつ、子供の魂を好んで喰うんだし。あ、でも見た目で小学生ぽいから襲われたらどうしよう。
そんなことをぼんやり考えていると、隣でまぁ気をつけるよとつぶやく襲われた子供たちと同年代の弟に我に返った。

そうだ。この4人の魂って……早くしないと危ないんじゃ!?
幽助に声をかけるか迷ったが、大事な受験前に授業を休ませたらイケないと思い(よく考えると彼サボり魔だったけど)
連絡せずに、先にやることがあったと学校に急ぐふりをして早めに家を出た。

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彷徨いアリス