怒りでいつもより怖そうな顔をしている幽助に
不良怖ぇーと思いながら、素直に任せることにした。

血が一気に抜けたからかボーッとする。
けれど、早く止血しないとまずいことも医療専門の私なら分かっている。

「紅葉起きるんだ!!」

蔵馬に軽く揺すられて、閉じそうなまぶたで頷いた。
彼は慌てて私の左の脇から通すように肩にハンカチをまいて止血を試みた。

「あっ…りがとう。――でも蔵馬は?」

チラッと彼の傷ついた腹部を見ようとするも、顎をくいっと蔵馬の顔に戻される。

「俺のことはいい!!まず自分の傷を治療ちりょうするんだ」

蔵馬の顔は血の気が引いた様子もない。気が引けたが甘えることにして
蔵馬にもたれかかりながら、途切れそうな意識で右手に霊力を集中させた。

「幽助……がんばって」

無責任なことに、そこから半分意識が朦朧もうろうとしていて記憶がない。
しかしこれだけは分かった。あれから少し時間がたったこと。
そして蔵馬の傷も思っていたより深くはなく、ぼたんが見ていた少女も無傷に安心した。

一番の収穫しゅうかくは、なんと飛影を幽助が倒してくれていたことだった。
それを確認した私は、本格的に意識が途切れた。

こうして長いようで短かった三大秘宝を取り戻すという
幽助の霊界探偵補佐となって初めてのミッションが幕を閉じた。
これでホッとして日常生活に戻れるとばかりに思っていた。

第一章END

………
……
第一章--あとがき--

とりあえず三大秘宝を取り戻すまでのお話と戦闘は終わりました。
ここまで連載して一気に公開しようと考えたのはこれを連載開始からすぐです。
本当は朱雀とか四聖獣あたりから連載予定でした。
しかし、蔵馬と幽助のような呼び捨ての関係を持たせたく
それなら最初からやるしかないなと幽助が生き返ったあたりから書き出してます。

第一章は原作沿いノンストップ気味でしたが、第二章からゆっくりと原作沿いながらも
オリジナルストーリー多めで行きたいと思います。
夢主、玄海師範の継承者トーナメントは不参加予定ですので。
あ、でも玄海師範とは5才以来の再会ありますし、トーナメント手伝いとかはさせるかもです。

まだ日本に帰ってきたばかりなので、夢主の日常だったり
優等生している蔵馬やちゃっかり飛影、そして幽助とも交流するエピソードはさみたいです。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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彷徨いアリス