「流石じゃ…紅葉」
小声で幻海が呟いたが、それに何を言ってるんだと首をかしげて
暗闇で幻海の横にとことこ歩いて並ぶとそのタイミングで幻海が灯りをともした。
ただ一つのろうそくだけなので全員の顔がぼんやり浮かぶ程度の灯り。
それでも参加者は安心したかのような顔をしていた。
うん、やっぱり灯りは安心するよねぇ。
私がこの霊気感知を磨いたのも霊界探偵時代に迷子防止のためだ。
当時5才でなおかつ好奇心旺盛だった私はすぐに迷子になったので
仲間だった2人の霊気や妖力を感知できるように泣きながら実践していたのが
今でも時々役に立っている。――例えばイヤなやつが来たら逃げるとかね。
人は多かれ少なかれ霊力を秘めている。
特に多ければ多いほど身体から霊気として漏れやすいし人によって色や形状も様々だ。
私は暗闇でも各々がぼんやりと光っているように見えるが
普通の人はただの暗黒にしか見えないだろう。
あ、でも霊力修行を積んだ人とかオーラが見える人なんかは意外と見えてたりして?
そんなことを考えているうちに、幻海が暗闇の中で
互いの霊気を探りながら戦うことを指示していた。しかも武器使用もありらしい。
なんてバイオレンスなおばあさんだと呆れつつも
なるほど、これは確かに重傷者がでるかも知れないと気を引き締めることにした。
もし暗闇の中で悲鳴を聞いたり、大きく霊力が乱れたりなどあれば
すぐに駆けつけられるように研ぎ澄まさなければ。
私にとってもなんの修行だよと内心愚痴をこぼすが
それでも戦うのは幽助と桑原さんなので検討を祈ることしか出来ないのが歯がゆかった。
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彷徨いアリス