「ノア?――おい、こいつを切り刻むのは後だ。
拘束して詳しく聞き出すぞ」

教祖の言葉を聞いた瞬間に神田は刀を握り飛び出した。

「なっなにをする気だ!?」

騒ぎを聞きつけてきた他の教徒達も集まりだし
刀を向けられている教祖に悲鳴をあげる。

「マリシャス様!!」

「くそっ!!刀を下ろせ!!邪教徒め!!」

邪教徒だぁ〜!?こちとら無宗教で18年生きてんだぞ!!
むしろお前たちの宗教観の方がこえぇわ!!
神田も同じことを思ったのかハッと鼻で笑って
威嚇するように、教祖に刀を振り上げた。

悲鳴がフロア中に響き渡る。

切っ先から飛んだ衝撃は男の頬をかすめて後ろの壁にめり込んだ。

「ひっひいぃ」

「よし、今の隙にこいつを縛っちまうぞ」
恐怖のあまりしゃがみ込んだ男には軽い同情を覚えるが
それでも変な儀式の生贄にさせられそうになったのを忘れる気はない。

他の教徒達も教祖の命を握られていると知り手が出せないのか
私たちが縛り終わり、立ち去るまで誰も動くことはなかった。
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彷徨いアリス