ゆっくり少年が近づいて、安心させるように肩に手を置いた。
「あなたが悪いんじゃありません。でも、僕たちはあなたや犠牲になった方々のためにも
どうにか原因を究明しなければならないんです」
「おい、行くぞ…」
業を煮やしたように扉に手をかける神田にアレンもコートを羽織りながら慌ててついていった。
「でっでは行ってきますね!!梓さんはお願いですからジョージさんを見ていて下さい!!」
アレンの目は余計なことはするなよという警告を孕んでいたと静かに梓は感じた。
ジョージさんを見といて下さいとは恐らく逆の意味ということも空気を読める梓ちゃんなら分かる。
でも、か弱い乙女と小汚いオッサンを同室にするなよ!!危ないだろと突っ込みたかった。
横でジョージも泣きそうな顔で俯いたまま湖に向かった二人に悪態なのか心配なのかぶつぶつ呟いている。
残された私はかなり気まずく、何度目かになった早く帰りたいという思いが一層強くなった。
………
……
それから体感としては1時間近く経ったかと思われる頃だった。
けたたましい音とともに宿のドアが蹴破られる。
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彷徨いアリス