始まり

突然というのは恐ろしいものだ。
しかし、それに対抗する特性として人間には慣れという特殊とくしゅスキルが元々備わっている。
いわゆる、適応能力というやつだ。

私は一瞬のうちにディスカバリーチャンネル並の神秘を垣間かいま見たような気がする。

そう…人は慣れるものだ。しかし……この世界は何もかもがずれていた。


「えっ…どうなってんの?これェエエエ!?」
『人間発見〜!!ヒャハハハハ!!』

え〜っと現在ですねぇ、グロテスクな生き物…なのかな?とたわむれ…もとい追いかけられている所です!!

木の陰から最初はさりげな〜く観察していたんですが(好奇心に負けたのさ☆)
何か5秒くらい目が合っちゃったんだよね、これが……。

やつはゴキブリのようなつぶらな瞳をしていた♪


君の瞳に恋する五秒前じゃなく………むしろ見つめあう5秒前に戻りてぇよ。

走りながら先ほどの胸キュン必須の瞳を思い出して、思わず吹き出しよろけてしまう。

このバイオレンスな状態でも、不思議と少女の中には恐怖よりも好奇心からくる胸の高鳴りや、突然の状況が(主にやつの顔面が)面白おかしくて堪らなかった。

何度もき出すのをこらえるが、最終的に涙目になりながらこらえるのを辞めて下品な笑い声を盛大に響き渡らせる少女とリアル逃走中が繰り広げられていた。

背の高い木々をどんどん追い越して、時々…太い木の根元につまづきながら、少女が逃げる。

「あははははは!やばいって…うぇっ……うひゃひゃ……あの顔反則!」
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彷徨いアリス