「あっえっと…緊張する。あーっこほんっ。
こういう時、なんて言えばいいのかわかんないけどさ
でも、イノセンスがあって助かったし……それに」

歯切れの悪いまま、ここでウソや見栄をはったらダメだと思い
飾らない……今感じている気持ちや思いをぶつけた。

「あの女性もこれでようやく眠れるとおもうんだ」

イノセンスがこたえるように光る。
優しい光。あの後、正式に湖の亡霊は供養したことを思いだす。
あの時、湖の底で見た優しい光はお前が私を彼女を救うために
導いてくれたのかな?
「イノセンスが助けてくれたから…できたんだ」

フッと薄く笑えば、イノセンスが少しだけ強く輝きを増した。

「いらないなんて願ってごめん。――ずうずうしいけど、もう一度力を貸して欲しいよ」

指先に触れた光は私の問いに答えるように光を散らした。
何度も、小さな光が散っては消えていく。
手の平で銀河が広がるように……その綺麗な光景にリナリーだけでなく
へブラスカまで驚いた顔をした。そしてイノセンスと私に手をのばす。

「すごい……。適合率が40%を超えている!!」

「急に40%超え!?」

リナリーは歓声を、私は驚きを隠せず声をあげるとへブラスカがまた続けた。

「梓は導きのエクソシストとなるだろう」

導き?と唇で声には出さず繰り返して、誰を導くのかとか
むしろ私こそ導いてほしいよと思いつつも、それでも
イノセンスは私の命の恩人でこれからここでのパートナーとなるから
少しだけ大切に接していこうと誓った。

「これから私を導いてよ、イノセンスちゃん♪」

小さく呟いた声はリナリーとヘブラスカには聞こえてなかったけど
多分きっとイノセンスには届いたと信じたい。
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彷徨いアリス