私達はとりあえず、バジルさんの手当のためにあの場から離れることにした。
……遠くから聞こえてきたパトカーのサイレンを気にしたからではない…と私は強がりたい。
私はなんとなく居心地が悪くて、バジルさんが寝ている病室には入ったものの
どうして良いか分からなくて
隅っこでうつむいたり、
時折ぼんやりと(
痛々しくて
直視しづらい)少年の
ベッドに横たわる姿を見守ることしか出来なかった。
ツナとディーノさんとディーノさんの部下らしい黒服のいかつい男性が一人ついて見守っている。
3人は私をそっちのけでボンゴレリングが…とか何とか話し込みだした。
私も何となく全部が全部無関係ではないから聞き耳を立てていいのかと思いつつ
でも、どこか
遠慮する気持ちもあって
黙り込んだまま別のことを考えていた。
何でこんな人生なんだろう。どこにやっていいか分からない視線を落としながら
望んでこんなバイオレンスなことを願ったわけじゃないと静かに息をはいた。
確かに刺激の少ない人生よりエキサイティングでスリリングな方が好き。
でも、それは二次元やテレビドラマでいくらでも供給できたし、それで十分だった。
それなのに……あのときの戦闘が頭から離れない。
ヒリヒリと肌を刺すような男の殺気、好戦的な瞳。肌を
焦がすような熱風と爆音。
――そして訳が分からずに脅えるだけしか出来なかった私。
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彷徨いアリス