頭が真っ白になった。まるで急に冷や水を浴びせられてビックリしたみたいに。
しかし時間はとまらない。だんだんと焦りで体が熱くなってくる。
固まった脳内がパニックでめちゃくちゃにかき回され、落ち着いていられなかった。
「とっとめて‼おねがいします‼とめてください‼
なんでっなんで…みんな…いやっ死んじゃだめ」
髪を振り乱しチェルベッロにつめよるも、パニックで力の入らない体を
まるで邪魔だと言わんばかりに押され、よろけて倒れてしまった。
悔しくて、つらくて、こんな現実に絶望して地面に伏せたまま泣き崩れる少女。
嗚咽とともにみんなが死んじゃう、とめてと繰り返し続ける。
「おいっ…しっかりしろ‼」
「ひっひー…しゃ…シャマル…さん」
「ゆっくり息を吸うんだ‼」
パニックから過呼吸を起こす少女を男は抱きかかえると
痛まし気な顔で少女の汗で張り付く前髪を撫でた。
「大丈夫だ。万が一の時には医者のオレがいる」
「そっ…そうだ、よかっ……」
「美緒!?シャマル…美緒は大丈夫なの⁉」
「…ああ、ずっと気を張っていたんだろう。パニックから過呼吸になったが
今はショックで気を失ってるだけだ…心配ない」
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彷徨いアリス