「君は僕のことが好き?」
少しだけ切ないその声色に、はぐらかしちゃダメだと
息をのんだあと、間をおいて応えた。
「わ…分からないです。雲雀さんはいつも怖くて
強くて、でも……優しいときもあって」
あんなに完璧な人。
私には不釣り合いですと呟けばゆっくりと頭をなでられた。
「君は、そのままでも良い。
そのまま変わらずに大人になってよ。
自己肯定感が低いところも昔は嫌だった」
頭を撫でていた手が頬に移動し、頬をさらっと撫でる。
「ただ今なら分かる。君が自分に自信がなかったおかげで
僕だけが最初に気づけたんだ」
「誰も咲いた花の美しさに気づかなければ
僕だけが摘み取ることが出来る。
だから君は黙って花を咲かせることだけに専念してよ」
花の意味も分からずに首をかしげれば
彼は分からなくてもいいと少し切なげに微笑んだ。
「誰にも気づかれずに、ただそこでじっと咲いていて。
僕だけが君を摘み取れる存在だと分かって欲しい。
君の初恋も、君の初めてのキスも何もかも
僕が君の初めてでいたい」
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彷徨いアリス