『手紙』



貴女がしたためた便箋の
幾千もの言葉を
私は忘れる事がないでしょう

泪で滲んだ琴線に触れる度
貴女の魂の浄化を
願わずにはいられない

思い出すのは
儚けなげで美しい笑顔
人一倍虚勢を張って生きる一方で
不意に見せる弱音の独白

林檎の悪戯
神の好奇心
残酷なのは
人間です

翻弄され続けた記録がそこにあり
シャープペンシルの文字は
どこまでも消え入りそうなほど
薄かったのでした

// list //

top