「ネタ:ヒロインが飽和してる呪いの世界で彼氏がデビルハンターだった件について」
2部を見て勢いで書いたネタ
多分今の忙しさが落ち着いたら清書したいけど続くかは未定
誰かこういう、彼氏吉田ヒロフミに守られながら生活する夢主in呪術の話書いて!!!
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頭のおかしな奴と罵られることを覚悟で告白するが少女、天雷花鹿は転生者だ。どう言った理由で死んだのかは覚えていない。眠って朝起きたら、一般的なマンションに住む見目の変わった女子高生になっていた。正直どうしてこんなことになったのか未だに見当もつかない。唐突すぎるその変化に混乱と恐怖で錯乱状態になって泣き喚く日々の中で現れた目隠し不審者男に、とある結論に達したのである。
「あ、君今日から呪術高専の一年生だからよろしく」
あ、ここ、呪術廻戦の世界ね、と。
まさか自分が転生なんてものに関係することになるとは、思いもしなかった。それも、まさかの呪術廻戦である。そんな死亡フラグ満載の世界に!?と散々青ざめてこれが夢ではないかと祈るような気持ちで眠っていたのだが、目が覚めることはなく。朝を100回ほど迎えてようやく、これが夢ではないことを認識した。
その後は絶望と、ほんの少しの期待が混ざっていた。そりゃ、だれもがこんな死亡フラグとSAN値チェック間違いなしの世界になんて転生したくないだろう。
できれば、安心安全に過ごせますように、なんて祈るのが日課になっていた。
のだが。
まあ、そんな簡単にいくわけはなかった。
それは転生して半ば引きずられるように呪術高専に入って、一年生が全員揃ったと知らされた時。
そこには主人公である虎杖悠仁くんや、伏黒恵くんに釘崎野薔薇ちゃんもいた。しかし、その中に見慣れない女の子が混ざっていたのだ。めちゃくちゃ可愛らしい、海外の血が入っていそうなほど愛らしく蠱惑的な美少女だった。なんかアニメにいそうだ。でも、こんな子いたっけなぁと首を傾ける。確かいなかった気がするけど。
そうすればキッと睨みつけられた。え、何怖い。そう思ってしどろもどろになるが、キャラである子たちの前では「私は剣崎百合!よろしくね!」ニコニコと優しくかわゆい笑みを浮かべていて、後からやってきた五条先生にも愛想よく、なんなら小柄で庇護欲の掻き立てられるような仕草を見せつけていたのを見て私は思った。
あ、なるほどここヒロイン転生軸!つまりは夢小説ね!と。
ここまでならばまだ良かったのだ。うん。この子はきっとヒロインで、なんなら愛されヒロインってやつなんだろうと、そう思えた。なら私がするべきことは徐々にフェードアウトすることだけである。
けれどその思考は後からやってきた二人の男女によって壊される。
「おい悟、あまり遊んでいないで自己紹介させたらどうだい?」
「あ?別にいいだろ僕がどうやったって!」
「まあまあ、傑君に悟君。生徒たちがぽかんとしてるから」
「「せな・・・・・・」」
そうして現れたのは、かわいいというよりは涼しげな目元と色っぽい唇が特徴的な美女。優しく注意する口調は柔らかいが、しかしその瞳は暫定ヒロインである百合さんと私をきっと睨みつけている。
この時に私は思った。
あ、これ救済ヒロインと愛され目当ての悪女の夢小説だわ、と。
もうこのどう見ても救済を成し遂げたさしす組に溺愛されているせなさんと愛されヒロインのような美貌を持つ女の子から睨みつけられている時点で私の平和な生活は失われたようなものである。ひくりと唇の端っこが引き攣ったが、これで終わりではない。
もう一人、女の子が入ってきたのである。
「あ、これで全員揃ったね。椿も自己紹介して」
「・・・・・・金岡椿。よろしく」
どう考えてもモブっていうか、先の二人と比べると地味めな女の子がぽそぽそ口を開いた。その目は冷え切っているようで、熱くイレギュラー(私含めた女三人)たちを睨みつけていた。
ここで私は悟った。私に平穏はないんだ、と。
(ここは救済されたヒロイン飽和世界でした)
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まあそれからしばらく経って。
ヒロイン三人はめちゃくちゃ熾烈な争いを繰り広げている。いつもはひどく言い争って女の嫌なところを煮詰めたような目をするというのに、キャラたちの前ではお優しい人として振る舞うのだからもうお笑い種だった。
私ですか?関わりたくないのでぼっちです。あとヒロインたちからしたら私は全く眼中にないそうです。まあそうだよね。そもそもモブだし、なんなら私術式持ってないけどかなりの呪力があるから攫われたようなもんだし。補助監督向きだってことははっきり言われていて、だからその勉強を今はしている。
でも眼中になくて、なんなら馬鹿にされているからこそなんの猫被りのない女のマウントの取り合いを見せつけられている。胃がきりきりするので、切実にやめてほしい。
はぁとため息をついて、それどころじゃないと首を振った。私には、これこそなんとかしなくてはって問題が一つ残っている。
弄ぶように手のひらを占めているのはスマホ。その中に、今私の頭を最も悩ませている男の名前がある。
なんで私があのヒロイン三人組に目の敵にされないのか。それには、とある理由がある。それもかなりの大きな理由が。
むくれたように目を細めて携帯を睨みつけていると、バイブレーションがひどく大きく耳に響いた。その衝撃にびくりと肩が跳ねる。恐る恐る差出人の名前を見て、少しだけため息を吐いた。
画面に表示されている名前は、「吉田ヒロフミ」。
私の、彼氏の名前である。
呪いの世界なのに、なんで某デビルハンターの世界の彼がいるのか、とかなんでこんな全く特徴のない女なんかと付き合ってんの!?とか言いたいことは山ほどある。あるのだが、それでも吉田ヒロフミという男がこの世に存在していて、私と付き合っているということは紛れもない事実であった。
そもそも、吉田ヒロフミと私の関係性がどんなものであったかといえば、なんてことはない。ただの部活動の先輩後輩で、やけにミステリアスで少女漫画にいそうな男を好きになった記憶を取り戻す前の私が、たくさんの挫折を繰り返しながらも告白をし続けてようやっと受け入れられたような、そんな関係であった。
受け入れてくれたと知った時のぽかんとした顔を見せる私に、くふくふと綺麗に笑いながら「どうすんの?付き合いたいんだよな?」と首を傾げて囁かれたのはまだ記憶に新しい。
それから付き合って彼氏になって、それでうはうはうきうきで清く正しい、しかし穏やかで楽しい交際をしていた相手からの連絡である。嬉しくないわけがない。ただ、いかんせん前世の記憶がためらわせるだけで。
・・・・・・いやほんと、なんで吉田ヒロフミはこんななんの取り柄もない女の彼氏になってくれたんだ???もしかしてセフレ?セフレってやつなの?と思いつつ、延々鳴り止まないコールにそっと電話をとった。
「も、もしもし」
『ん。おはよ花鹿』
耳に入ってきたのは、緩やかで滑らかな声。端々から染み渡るような色気とミステリアスさにぶるりと体が震えた。それを誤魔化すような勢いで挨拶をする。
「はっはい、おはざます!、あ」
『ふっ、なんだそれ。新しい挨拶?かわいいな』
「ち、ちがっもう!揶揄わないでよ吉田せんぱ、」
『違うだろ』
そうして、記憶を取り戻すまでの呼び方で呼ぼうとした。それなのに、彼はやんわり、ただししっかりと否定する。
『ちゃんと教えたよな?ほら、・・・・・・もう一回』
うぐ、と口をまごつかせて、絞り出すように声を出す。自分でも笑ってしまうほど、消えてしまいそうな声だった。
「ヒロフミ、さん」
『うん。それでいい。アンタは本当にいい子だな』
そうやって密やかな笑い声を響かせる彼は、本当に同じ高校生なのだろうか。学校が変わるからしばらく会えないと告げた私に、あっけらかんと言い放った時と同じ声音だった。
『じゃあ呼び方変えなきゃな』
『え?』
『もう先輩じゃないからこれから先は、ヒロフミって、呼んでよ』
先輩後輩の関係じゃなくて、オレの彼女っていう肩書きになるんだから。そうやって手をきゅっと握られた時と、同じ。
(って何思い出してんの!)
思わず熱くなった頬をぶん殴りたくて、頭を振る。『どうしたの』なんて揶揄う声に何もかも見透かされているような気がして居た堪れない。声を振り絞って誤魔化すように張り上げた。
「そ、それで!吉田せんぱ『ん?』っひ、ヒロフミさんは何の用事があったんですか!?」
『ん?いや。声聞きたくなったから。だめだった?』
「へっ」
『あと、花鹿とデート、したいなって。今週暇って言ってただろ?たしか』
「い、ってました、けど」
『じゃあきまり。10時に渋谷駅でな』
「あ、ちょっ」
そうして一方的に切られた電話は、つながることはなく。
しかし私はといえば、そんなさらりと言われるにはあんまりな爆弾発言に頬を赤らめてうずくまった。遠くから聞こえるヒロインたちの言い争いなんて、どうでもよくなる程だった。
「・・・・・・可愛い服着て行こ、」
「久しぶり」
「あ、・・・・・・お久しぶり、です」
「元気だった?服可愛い」
「ひえ、あ、ありがとうごじゃいま、あ」
「ふは、なんだそれ。緊張してる?」
くつくつと喉を鳴らした私の彼氏の顔は本当にかっこいい。ニヒルな笑みも端正な顔もしゅっとした体躯も、みんなみんな最高にかっこよかった。きゅううと体の奥が引き絞られる感覚がしたが、慌てて首を振って耐える。
「デート、久しぶりですね」
「ん、そだな。・・・・・・どこいきたい?」
「え?」
「アンタが行きたいところいこう。積もる話はそれからでもいいはずだぜ」
そうして笑ったヒロフミさんに、私もまた心を弾ませた。
まあ、そんな気持ちはデートの最中に合同任務の呼び出しくらって全ておじゃんであるが。
なんでこんなことにと思いながら、少年院を走る。ていうかこれ、最初の方の両面宿儺覚醒の時の院では?いやでもせなさんがそれは無くしたような。確かせなさんは今出張中だから、回り回ってやってきてしまったのか、とことん虎杖悠仁くんは運がないようである。
そう思いながらも後ろからは呪霊。しかも、あの指を取り込んだ少年院の特級呪霊、つまりめちゃくちゃ強いやつである。同輩たちとはまさかのはぐれたようで、おいおいおいこれやばくない?と顔が引き攣った。転生して初めてと言っていいほどのピンチである。なんでヒロインたちはどうにかしないわけと文句を言いたくなったが、きっと弱い方から狙ってきたんだろう。
クソやろう!と半ばヤケクソで叫びながら逃げ回る。逃げ回って逃げ回って、足が縺れて転びかけてそれでも走って、追い詰められて。でも同輩をなんとか視界に入れることができて。
そうして、あの両面宿儺の指を取り込んだ特級様が近くにやってきているのを知らせようと大声を出しかけた。
しかしそれは、いきなり後ろから口を塞いだ手によって、遮られてしまったんだけど。誰だ、新手か!?と振り向こうとした。その時に、あんまりにも聞き覚えのある、心に住み着いた声がした。
「だめだろ、一人で無茶したら」
(え)
なんで、こんなところに。
呆然ともう一方の手が私のお腹に回って抱き止められるのを見ていた。知っている。なんで、と見上げた先には、私の彼氏の姿があった。
後ろから呪霊が来ていることも、同輩たちがこっちに近づいていることも、その瞬間何もかもどうでもよくなってしまって。どうしてなんでという疑問がただただ揺れていく。それは顔色に出ていたのか、すっとヒロフミさんが、私の目元を隠して、なぞった。
「見なくていいぜ」
なにも、見なくていい。だから、俺と帰ろうな?
そう、優しくて有無を言わさない傲慢な滲む声で囁かれて、私は闇に落ちていった。
閉じていく視界の中、たくさんのタコの足が、見えた気がした。
「この人、オレの彼女なわけ」
「お前らに取られるとちょっと困るんだよな」
「殺させるわけないだろ、もう二度と、この人を失ってたまるか」
「だから、どうかいい礎になってくれよな?」
ちからつきた
一般ピーポー→(覚えてないけど)吉田ヒロフミという男の先輩デビルハンター→吉田ヒロフミの後輩彼女で呪術高専の生徒という俺得な話が書きたかったというネタ。夢主にデビルハンターだった記憶はないけど吉田ヒロフミはその頃から好きだったから、まざまざ死なせる気はないという。
ちなみに吉田ヒロフミは蛸の悪魔と契約してる。呪霊じゃないんだって思った人、なんでだろうね?
多分好評というか、自分の忙しさが落ち着いたら清書して書きたいものです。
続くとしたらデビルハンターとしての夢主と吉田ヒロフミの話、この後何が起こったか、吉田ヒロフミが逃げようとする夢主を手篭めにしてしまう話とか。
続く……かなぁ。