映画のような話






乾家は火事が起きたことを早めに知らせて流すことができた。

イザナは真一郎と話し合えと説得して向かわせた。

圭介と一虎は盗みを行わなかった。行おうとしたらしいけど、圭介が止めたらしい。

柴家は大変だった。あまりにも酷かったのでタイマンでのしてたら奈落の全員から大寿くんが睨まれる事態になった。

エマちゃんは副総長である白銀の力を借りて救った。正直これは骨が折れたが、なるべくそばにいることで回避することに成功。

あと心配なのは万次郎の闇落ちだけだが、真一郎もエマも場地もみんないる。もちろん武道くんも一緒で、幸せそうだからきっと大丈夫、なはず。でも安心はできないのでしばらく見守ろうと思う。

長かったなと息を吐く。
これまで、自分の望むハッピーエンドのために奔走してきたがようやく形になってきた気がする。自分は強欲な女なのでなるべく悲劇的なことは避けたいとたくさんの手を使った。だがまだ油断は禁物だ。
自分にとって、ハッピーエンドとはみんなが幸せであることが第一前提だ。私なんかが見てなくたって幸せになれる人たちだろうけど、それでも心配なものは心配で。それはみんなと関わりを持って人柄に触れたからだと思う。
でもこんな調子じゃ、いつまで経っても真一郎に「幸せになろうぜ」と声をかけられないなぁと頭を悩ませる。馬鹿みたいだって?ぬかせ。死活問題だ。
だって、真一郎のことが大好きだから。一緒に幸せになってやりたいのだ。
「あ、黎。ちょっといいか?」
「ぁん?なに、真一郎」
そんな時だ、真一郎に呼ばれたのは。

「話って何?」
そう切り出すと、真一郎はどこか言いづらそうに視線を右往左往させる。星のない夜空の色をした瞳が緊張したように揺れていた。
「あ、あのー、あのさ」
「?」
「・・・・・・お前に言いたいことがあるんだ」
そう言った真一郎は覚悟を決めたような顔で、懐から小箱を取り出す。
そこには、こぼれ落ちそうな宝石がついた指輪が入っていた。
「俺と結婚して」

「・・・・・・情緒もねぇな」
「なっ、仕方ないだろ⁉︎これしか思いつかなかったんだよ!」
「宝石差し出してプロポーズとか、ベタかよ」
「あーもう!こういうのがいいんだよ!真摯に伝えるにはたくさんの言葉より一言だけでも伝わるの!それに、黎もドキドキしてるだろ⁉︎ちょっとキュンときただろ⁉︎」
「うん」
「え」
「嬉しい、私も真一郎と結婚したい」

まるで映画みたいな、恋をした。
それでもこれは私が選んだ恋だ。フィクションなんかじゃない。
私の人生は、これから先も続いていくのだ。
この人の隣で。

これは最底辺から駆け上がった、映画のようなストーリー


真一郎が叫び出して何事かと思った万次郎たちがでてくるまで、あと。