小屋

▼貴方が触れると
...

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触れたのかも分からないほどの、戯れとすら呼べないような曖昧なものだった。

これまで幾度も、それこそどこの誰とも知らない男と交わしてきたものと同じ行為。生娘を名乗るには少々色んな事を知りすぎている自覚があった。
だから、こんな幼子の戯れのような行為で鼓動を速めるなんてそれこそ笑い事でしかないのだけれど、


今まで誰に触れられようと、例え心を許した仲間であっても感じたことはない感覚。警鐘のような鼓動、強張る身体、上昇する体温。
一番似ているのは敵に囲まれた時のあの緊張感だろうか、けれどそれとは似て非なるものだった。
貴方が微笑む、頬を撫でる、髪を梳く、そのたびに。


息が詰まって、まるで毒を盛られたように。


怖い?苦しい?逃げ出したい、すぐにでも。

けれど貴方のしなやかで私より少し大きな手が肩を掴むから、どうしようもなくて顔を伏せて、


「…随分と可愛い反応をする」


ふと可笑しそうに洩らす笑い声に耐えきれず耳まで熱を帯びて、貴方の肩に顔を埋めるしかできない、なんて。

…なんて情けないことだろう。




夢っぽくしたらこうなる。

2013/03/20

2017/07/02

いろは唄